『人声天語』 第137回「北米ホットドッグ殲滅戦線内ゲバ戦記(AMT & TMP U.F.O.北米ツアー2007)」

 

 

 

 

 

 

過ぐる2月のヨーロッパ・ソロツアーに於いて、欧州激不味料理戦線完全撃破殲滅宣言を唱え、数々の料理を完全殲滅撃沈せし私の次なる標的は、アメリカ帝国主義的超重量級養豚料理戦線の完全殲滅に他ならねば、4月中旬より1ヶ月に渡り行われしAcid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O.の北米ツアーに際し、同じく世界味覚革命を目指す革命活動家の東洋之同志と共に、此処にアメリカ帝国主義的超重量級養豚料理戦線の完全殲滅を誓い合いしものなり。

アメリカに於いても欧州同様に、大東亜美食共栄圏のヘゲモニーを獲得を目指しオルグを行わんとすれば、その第1段階として今回の北米ツアーに於ける我々の使命は、アメリカ帝国主義的ジャンクフード世界侵略戦線への潜入及び完全殲滅なり。今や世界侵略を果たせしマクドを筆頭とするアメリカ・ファーストフード・チェーンの毒牙は、世界養豚場化計画の下、世界中の食文化に壊滅的打撃を与え、世界人類を肥満化させつつあれば、これぞX-File宜しく地球外生命体地球入植計画の一環たる世界人類家畜化計画の序章に他ならず、如何なる術を用いても阻止せねばならぬは必定なり。斯くなる上は、我々世界味覚革命家こそが、先ずは自らの体を生贄として呈し、この人類家畜化飼料たるジャンクフードを完全殲滅する事により、家畜化されつつあるアメリカ人民を覚醒させ、徹底的な自己批判の下に、既に侵攻しつつある大東亜美食共栄圏世界味覚革命同盟への賛同を押し進めねばならぬ。既に一昨年よりアメリカ帝国主義的ジャンクフード世界侵略戦線へ潜入せし東同志の提言により、先ずはハンバーガーと並ぶ国民色たるホットドッグ完全殲滅を図る事とす。
ホットドッグとは、御存知の通りソーセージをドッグパンに挟みし代物にして、アメリカに於いては至る所で売られており、そもそも熱いソーセージを食器等を用いずパンに挟みて食す事こそが、ホットドッグ発祥の理由なれば、特に野球観戦のマストアイテムとして広く愛されし代表的ジャンクフードなり。基本的にはソーセージをドッグパンに挟み、時にはトッピングとして細かく刻まれしピクルスや玉葱、またはザワークラウトが添えられ、トマトケチャップとマスタードにて味付けされるがベーシックたるスタイルなり。またチリソースを添えるチリドッグもよく見受けられる。屋台のスタンドやガソリンスタンドの売店等にて購入する場合、原則として各種ソーセージより1本を選択する処から始まり、トッピングが用意されている場合はそれらも選択し、最後にソース(ケチャップ、マスタード、チリソース等)も選択し得る為、ハンバーガーよりも自分の好みに合わせカスタマイズする事が容易なり。トッピングについては、刻み生野菜やピクルスを提供する店と、袋入りのピクルスや刻み玉葱を提供する店がある。
因みに日本のホットドッグでは、ドッグパンを底面に対し垂直に切り目を入れるを常套とするが、欧米に於いては水平に入れるを常とする。また我々が子供の頃に食せし、家庭にて母親達の手作りによるホットドッグを想起すれば、ボイル若しくは炒められしソーセージを、炒めキャベツ若しくはザワークラウトと共に、オーブントースター等で焼かれしドッグパンに挟みし代物にして、些か焦げ目の付きしドッグパンや炒めキャベツの食感こそが、このホットドッグの醍醐味なりし。そもそもアメリカ食文化に対する情報なんぞも然してあらざりし時代なれば「きっとこんなもんやろ」的発想の下に生み出されし代物たらん。


今までの経験上、ホットドッグこそアメリカに於いて最も安価な一品にして、大抵1本1ドル程度なり。トッピングを自ら挟める場合、トッピング各種を山盛りにすれば、それこそ1食に充分相当し得る故、ツアーに於ける最も経済的食事のひとつに数えられる。但し味の選択肢が、ケチャップとマスタード、若しくはチリソース程度しか存在せぬ故、今回のホットドッグ殲滅戦線に挑むに当たり、私は「レインボー大作戦」と名付けし秘策を以て望まんとす。レインボー大作戦とは、その名の通り「七色の味」に変化させる事で、単調な味付けのホットドッグを食い飽きぬようにせんとする秘策なり。厳選されし7種の味の仕掛人とは、とんかつソース、柚子胡椒、焼肉のタレ、マヨネーズ、コチジャン、練りしそ梅、タバスコからなる「レインボー大作戦犬殺し7人衆」なり。

 

(2007/6/22)

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