3人(吉田達也 / 津山篤 / 河端一)で5ユニット(ZUBI ZUVA X / 赤天/ RUINS / ZOFFY / ACID MOTHERS TEMPLE mode HHH)を演奏すると云う世界最小 のフェスティバルである「JAPANESE NEW MUSIC FESTIVAL European tour 2003」が過ぐる10月2日~11月8日にかけて行われた。この全くもって奇 妙キテレツなる企画も今回で3度目であるが、(99年に3公演のみゲスト参 加した経緯はあれど)私は今回が初参加である。この3名による爆笑珍道中、 私如きの文才では到底筆舌に尽くせぬ故、今回は極私的な日記としてここに 綴ってみた。(尚、当初参加が予定されていたRUINSのベーシスト佐々木君は、 残念ながら諸事情により不参加。)
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第1週目
10月1日「出発(成田からOsloへ)」
深夜名古屋駅よりドリーム号にて東京へ。早朝6時東京駅着。更に成田へ、7時半成田空港着。それにしても何故成田空港のみ駅にてパスポートの提示をせねばならぬのか。何につけても鬱陶しい事この上なし。早く到着し過ぎた為、チェックインを待たされる事1時間半、その間然してする事もなければ、持参した炊き込み御飯おにぎりを頬張りつつ、阿呆面下げた団体旅行客やらイカしたブロンド美女をウォッチング。漸く9時15分にチェックイン、津山さんも吉田氏の姿も未だ見えぬ。マイレージクラブのゴールド会員なれば、ANAラウンジにて搭乗を待つ。喫煙スペースも有る上、赤ワイン飲み放題+ネット繋ぎ放題!出来ればこのままの状態でフライトしたいもの。禁煙且つ退屈極まりない空の旅を思い起こすだけで、気分はかなり憂鬱になる。Scandinavian Airlines11時45分成田発Kovenhagen行きにて約11時間半のフライト、珍しく機内にてあまり眠れず、上映されていた「X-men.2」を4回も観賞。(3回は英語版で、最後に日本語吹き替えがある事に気付き、結局もう一度見る事に…。)機内にてAMTとRUINSのファンと言うフィンランド人男性に遭遇、記念撮影を依頼され承諾、しかし世の中狭いもの。機内食は至って不味いが、慣れ親しんだUnitedの不味さに比べれば幾分はマシか。結局持参した炊き込み御飯おにぎりを食し、最後に出された冷めたハンバーガーは万が一の時に備え取り敢えずキープ。今までの経験で、いつ何時何も食べられない状況が来るやも知れぬと心得る故、備えあれば憂いなし。Kovenhagenにて、Scandinavian Airlines午後5時5分発Oslo行きにトランジット。フライトは1時間、機内食は激不味のそば、北欧内のフライトにも関わらず何故そばなのか。7時Oslo空港着、オルガナイザーPerに無事到着の電話、市内のOslo駅にて待ち合わせる事に。Oslo空港から市街へ、特急料金をケチり鈍行列車にて向かう。吉田氏の「多分終点だろう」と云う言葉を鵜呑みにし、時刻表の確認もせず乗り込めば、駅に停車すれども駅名を見る事さえ怠り、されどいつまで経っても終点には着かず、やがて街の明かりも遠のき、すっかり周りは闇に。どうやら明らかに乗り過ごしたと気付けども、3名とも旅慣れている余裕からか誰も一向に慌てる様子さえなく、「これって絶対乗り過ごしてるよなあ」なんぞと笑いつつ、されど「もしかしたらやっぱり未だかもしれへんしなあ」そんな訳は絶対にないと判っておれど、未だ我々3名誰も下車しようとはせぬ。すっかり周りの乗客も減り、何となく私が近くに座っている女性に尋ねてみれば、矢張り既に40分以上も乗り過ごしている事が判明、これにて漸く下車を決意。
降りた処はSkoppumなる無人駅、たまたま一緒に降りた客に尋ねれば、何とかOslo市街へ向かう最終列車があるとかで、約1時間以上かけて戻らねばならぬ羽目に。電話も何もない無人駅にて約1時間半の列車待ち、空腹なれば、ここで先程機内にてキープしておいた冷めたハンバーガーを食す。Oslo市街行き最終列車にて無事Uターン、11時Oslo駅に到着、空港からここまでの僅かな距離に4時間も費やした事になる。Oslo駅からオルガナイザーPerへ再度連絡、今夜の投宿先であるPer宅へ11時半過ぎに到着。Perや彼のバンドメンバーであるFredericらと再会を祝し赤ワインを飲み始めるが、調子に乗り過ぎ、結局家中の酒を全部空けてしまい、遂には酒が無くなった為、4時に就寝。
10月2日「Oslo (Norway)」
8時起床。朝飯は日本より持参したレトルトのカレーライス。シャワー&洗濯、Per宅はADSLなので容易にネット接続可能、しかし未だ欧米家庭の殆どがダイアルアップである事には驚かされる。ADSLなれば、海外ローミングサービスを使用せずとも接続出来る為、1日も早い欧米に於けるADSLの普及を望んでやまぬ。(日本のサイトの殆どは、トップページから重過ぎて、こちらでは容易に開く事さえ出来ぬ。その点を考慮してかなり軽く作成してあるAMTのサイトでさえである。)昼飯はヴェトナム料理屋にてカレー&ビール。味の方はまあまあ、されど100nkといと高し、北欧は兎に角税金が高い為、物価が恐ろしく高い。午後、急遽来られなくなったRUINSベーシスト佐々木君の代わりに参加する事になったZUBI ZUVA Xの最初にして最後の練習。99年のJNMFツアーの際も、丁度フランスの彼女宅に滞在していた為、3公演程ジョイントした経緯もあり、何となく曲は覚えていたが、いざ正確に演奏するとなるとなかなか難しい。まあ31公演もあるので、いずれ覚えられるであろうとは津山さんの弁。吉田氏はRUINSのベース・パートのサンプリングに勤しむ。6時、会場であるSo Whatへ、サウンドチェックにてAMT mode HHHに於けるギター2本同時演奏のセッティングに試行錯誤。晩飯もベトナム料理屋へ、ビーフスープ麺をオーダーすれどこれが激不味極まりなし。開演前、スエーデンの新聞社による写真撮影、何じゃそりゃ? 9時半開演、ライヴは客入り240人と盛況。ZOFFYにて津山さん指揮による「ひとりギターオーケストラ」初披露。アンコールは、赤天の演奏し忘れた「ワイン」そして「God Bless AMT」。帰宅後Perらとビールを飲む。3時半就寝。
10月3日「Stavanger (Norway)」
6時起床。洗濯、朝飯はカレーライス+チキン拉麺+梅こぶ茶。フライト用に荷作りする以外、大快晴であるにも関わらず、Per宅にてネット接続する程度、何もせず時間だけが経過。12時頃、昨日の反省の下、今度は特急列車にてOslo空港へ、何と僅か15分そこらだった。Scandinavian Airlines1時45分Oslo発Stavanger行き、約1時間のフライト。機内食はサンドイッチ、空腹でなければ到底食えぬ代物。空港にてオルガナイザーが車でお迎え、3時に先ずホテルへチェックイン、3人部屋。空腹なれば、チキン拉麺と味噌汁を食す。6時に会場であるTou Sceneへ出向き、軽くサウンドチェック。晩飯は楽屋にてインド料理ラムカレー、これはなかなか美味、御飯が多かったのでナン共々ホテルへお持ち帰りする事に。食後、時差ボケ+風邪気味にて楽屋で爆睡。この日も赤天は「ワイン」更に「大根おろし」を、オルガナイザーにワイン1本と大根1本を用意させておきながら演奏し忘れる。アンコールは3人で「Hyderomastgroningem」。タクシーでホテルへ戻り、カレーの残りの御飯+ふりかけ+ナン+ビールを食す。洗濯後、丁度放送されていたジャン・ミシェル・ジャールのライヴをTVで鑑賞。3時就寝。
10月4日「移動日(StavangerからStockholmへ)」
8時起床、入浴。朝食はバイキング、ゆで玉子+トマト2個+キュウリ1本+スクランブルエッグ+コーヒー。ホテルでのネット接続不可だった為、今夜のオルガナイザーからの連絡確認出来ず。吉田氏がネット接続の為のアダプターを求めに行くと云うので一緒に近所を散歩、CDショップにてGateのCDを発見。ノルウェイのヒットチャート・トップ10入りしており、彼等が矢張り人気ポップグループであった事を確認。(Gateについては、人声天語第75、76回「嗚呼、ノルウェイ…(前・後編)」を参照の事。)12時半チェックアウト、タクシーで空港へ、料金メーターが物凄い勢いで進む。(Uターンするだけで3krも!)Scandinavian Airlines 2時15分Stavanger発Oslo行きのフライトは30分遅れで離陸。Osloにて3時45分発Stockholm行きにトランジットする筈が、結局乗り継ぎが遅れ1時間後の次の便にてStockholmへ。機内にて日本人団体ツアーと遭遇、鬱陶しい事この上なく、老若男女問わず金持ちそうな阿呆面の博覧会の如きで、同じ日本人として恥ずかしい事極まりなし。Stockholm空港に5時着。オルガナイザーと電話が通じず、取り敢えずバスにて市内のStockholm Terminal駅へ向かう。駅のネットカフェにてクラブDistroのサイトにアクセス、連絡先を調べ、漸くオルガナイザーの携帯電話番号をゲット、連絡に無事成功。オルガナーザーが駅まで迎えに来てくれ、8時半ホテルへチェックイン、2部屋あてがわれた故、禁煙(吉田&津山)と喫煙(私)に分かれる。会場の下見後、自室でカップうどん+ゆで玉子(今朝のバイキングにてキープ)+ビール(昨夜のクラブのケータリング)を食し、日本語放送チャンネルにていかりや長介主演のサスペンスを観賞。またMTVチャンネルに於いて、本場スエーデンにてABBAのプロモフィルムと遭遇、大いに感激。吉田氏に貰ったマイナスイオン・シーツなる逸品を試しがてら11時就寝。
10月5日「Stockholm (Sweeden)」
3時半起床、流石に昨夜は早く寝過ぎたか。洗濯&入浴。自室にて少々早い朝食は、チキン拉麺+大根おろし(先日のライヴで使用し忘れた大根)+ゆで玉子(昨朝のバイキングにてキープ)+ビール。ホテルの朝食にて何と和食バイキングがある事を発見、日本からの観光客が多い為か、ならば阿呆面の博覧会の如き日本の恥さらし共にも、多少は感謝せねばならぬか。御飯2膳+味噌汁+塩鮭+納豆+生玉子+豆腐+漬け物+海苔+トマトを食す。食後2時間程仮眠、矢張り時差ボケか。本日のライヴはお昼過ぎからの為、11時半に会場へ向かい、軽いサウンドチェック。女性エンジニアのAngesicaが可愛い…しかし案の定クリアトーンでさえギターの音量が大きいと云われた…まだまだ若いの~。写真雑誌のインタビューを受ける、どうせならスエーデンの有名女優とのスキャンダルなんぞで掲載されたい処。更に我々3名の写真が、何と今日の新聞の第一面を飾っており驚かされる。(先日のOsloにての撮影はこれだったか。)中は私のインタビュー、隣り合わせるはPere UbuのDavid Thomasのインタビュー、一体どんな新聞やねん、これ。それにしても会場は何やら公共の施設らしく、場内禁酒禁煙は辛いが、一方でカフェのバーテンの女性はこれまた可愛い。北欧は美人が多いが、紅毛碧眼ならぬ金毛碧眼なれば、アジア人である私なんぞは少々臆してしまう事必至。個人的には矢張りラテン系の紅毛黒眼が好みか。それにしても「フリーセックスの国スエーデン」と幻想を抱いて乗り込んだが、斯様な様子は全く見掛けられず、況して全裸美女軍団が街を練り歩いている訳でもなく、少々がっかり。誰や「自由性交の国」や言うたんわ!午後1時会場、1時45分開演。ZUBI ZUVA X、赤天の演奏後、地元のバンドの演奏があるとかで、その間に近辺を散策、日曜日ならではか、マーケットが賑わっているのを発見し、レコード屋数件を猛スピードでチェックすれど収穫なく、会場へ急ぎ足で戻る。客入りは超満員の400人。CDは爆発的セールスにて、持参したAMT関連商品は一瞬にして完売!ZOFFYにて「La Nòvia」を演奏、AMT mode HHHではエンジニアAngesicaの心配を他所に2台のマーシャルを用いて大爆音で演奏。終演後に彼女は、当初はあまりの爆音で(彼女自身がバランスをコントロール出来ない事を)不安に感じたらしいが、されど何故だか「耳に痛い」音ではなかった上、未だ体験した事のない信じられないような音響を体験出来た素晴らしいコンサートだったと喜んでいた。「当たり前じゃ、音はわしらがコントロールするんじゃ。お前ら(エンジニア)は、フェーダーを目一杯まで上げとけばええんじゃ!」とは、ロック番長津山さんの弁。昼飯は、会場で販売されていた照焼き丼の筈であったが、食べるタイミングを逃した為に空腹極まりなく、雑誌のインタビューを受けつつの晩飯は、日本食レストラン「East」にて寿司。更に9時半からホテルにてラジオのインタビュー。夜食にカップ焼そば+ビールを食し、入浴&洗濯。再びテレビでABBAの「Dancing Queen」を観賞、嗚呼、感動に咽ぶ…。2時半就寝。
10月6日「Gothenborg (Sweeden)」
6時半起床。朝食は、和食バイキング、御飯+味噌汁+シャケ+納豆+生玉子+豆腐+漬け物+海苔+スクランブルエッグ+トマトジュース。昨夜食べたカップ焼そばの噐に御飯+漬け物+シャケを詰めて今日の弁当に。Gothenborgへ向け10時7分Stockholm発のICに乗車。4時間の列車の旅、車中のBistroにて赤ワイン1本+弁当を食す。3人各々Walkmanで音楽鑑賞、吉田氏はCamel、私はSpooky Tooth、津山さんはRUINS。Gothenburg到着、ホテルへ、個室なれど何とも味気ないインテリア、まるで旧共産圏のホテルの如し。会場Nefertitiにてサウンドチェックは6時から、その後クラブにての夕食はパスタ+サラダ+ポテト+鹿肉のロースト+チキングリル、結構いけた。ライヴは月曜日にしては大入りの満員。赤天の「ワイン」で津山さんがワイングラスを割る。ここも含めて北欧は兎に角AMTファン多し。特にスエーデンは訪れた事もないにも関わらず矢鱈と浸透しており驚かされる。終演後ホテルへ戻り、明日のフライト用の荷作り。シャワー、テレビでホラー映画を観つつ、夜食はビール+チキン拉麺。明日は7時出発、フロントに6時にモーニングコールを頼む。2時就寝。
10月7日「移動日(GothenborgからWarsawへ)」
5時半起床。朝食はバイキング、ゆで玉子+ハム+トマト+レタス+ピクルス+シリアル。7時20分雨の中タクシーにてGothenborg駅へ、7時50分発のバスにてKovenhagen空港へ向かう。車中にてiBookでGongを聴く。12時空港着。チェックインの際、チェックインカウンターのおばはんと荷物の重量について一悶着、しかしゴールドカード所持の為、更に20kg預けられるとの事で解決。Fuck off デンマーク!
昼食は空港にてFranksという巨大ソーセージが差し込まれたホットドック。売店でお土産にと北欧産エロ本を購入。Scandinavian Airlines 3時発Warsaw行きにて、機内で昼食はヨーグルトチキンサンド、4時半Warsaw到着。オルガナイザーのMarcinがお迎えに、ホテルへチェックイン、個室なれどトイレ&シャワーは3部屋共通、5階にも関わらずエレベーターが無いのが辛い。先ずは洗濯。Marcinが7時に迎えに、一緒に日本料理屋「日本館」へ。車内でJNMFのラジオ・コマーシャルを耳にする、一体どないなってんねん。ポーランドのビールで乾杯の後、天丼+豆腐田楽+日本酒4合をオーダー。吉田氏はカツカレー+大根サラダ+野菜天婦羅+きんぴらごぼう、津山さんはカツ丼+豆腐田楽。ここの料理はかなり旨い。バーカウンターにいるバーテンのねえちゃんがステーシー・キーブラ系でかなり可愛い。そういやステーシーって何系なのか?Marcinの彼女Magdaと現場取仕切りのモヒカン頭のMihauも合流。Marcinの膨大なCDコレクションにサイン。名古屋聖家族での録音等かなりのライヴ録音を所持しているのには驚愕。吉田氏+津山さんはホテルへ。私とMarcinらはバーへ、今日はラジオ局のパーティー(よくわからんが、数年間政府ともめていた事が解決したとか?)で、ポーランドのウォッカを、結局シングルで4杯、ダブルで3杯までは数えていたが後は不明、兎に角グラスが空けば即横から次が出て来る。Marcinの車でホテルに戻ったのは…何時か?津山さんの話では5時頃だった様子。勿論即寝成仏。
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