『人声天語』 第140回「男は黙って噛み締めろ…ふたたび!(AMT & TCI 英吉利&愛蘭ツアー 2008)」

この人声天語も既に9ヶ月以上も更新出来ておらねば、この間如何に多忙なりしか想像して頂きし処なれど「時間なんてその気になればなんぼでも都合つけられるし、物事やろうと思たらやれるんじゃ!忙しかったなんて単なる言い訳やんけ!この屁たれがぁ!」との御叱りも聞こえんか。言い訳ついでに、この9ヶ月間の主だった活動なんぞ備忘録代わりに記しておくなれば、1月は、AMT & TMP U.F.O.の新譜の録音に追われながらも、漸く自分のmyspaceを立ち上げ、今まで我等がアメリカのツアードライバーJustin “God” Christに一任せしAMTのmyspaceも管理人となりリニューアル、津山さんの引っ越し故に久々にトラックドライバー復帰、下旬にはレコーディングの為に渡欧、2月は、フランスの女性映像作家Audrey Ginestetがドキュメンタリー映画撮影の為、連日大雪に見舞われし明日香の山奥のAMT総本山にて彼女との1ヶ月間の奇妙な同居生活の中、AMT & TCIの新譜2枚の録音、下旬は「グルグル祭」国内ツアー、3月に入り帰国するAudreyを見送りしその足で、津山さん今年2度目の引っ越しにつき再びトラックドライバーを務め、中旬より4月上旬までAMT & TMP U.F.O.の北米ツアー、そのまま間髪入れずにJNMF欧州ツアーへ、引き続きJ.F.PauvrosとのデュオやらイタリアのサイケバンドJennifer Gentleとのコラボレーションライヴも含むソロ欧州ツアーに突入、5月下旬に帰国するやAMT & TCIの新譜の録音に戻りつつ、一方で津山さん率いるAcid Mothers Temple & Melting Cosmic Blues Bandに参加、更に砂十島NANI君とのHuman Showerも始動、長らく活動休止せしMothers of Invasionも神戸の若手ジャズロックバンド灰皿の面々を迎え復活、6月中旬からはソロにてアメリカへ、ケンタッキー州Louisvilleにて開催されしサイケフェスティバル「Terrastock 7」に3日間フル参戦しつつも、その隙にLouisvilleの即興サイケバンドSapatと録音、帰国するやAMT & TCIのライヴの為に北海道へ飛び、その北海道のライヴ録音を翌日にミックスし、マスターをポーランドのレーベルへ発送、引き続きJNMF国内凱旋ツアーに合流する為に、涼し気な北海道から灼熱の九州へ飛ばねばならず、九州から7公演を経て東京へと辿り着けば既に7月初旬、AMT夏祭りとJNMF東京公演の2daysも無事終了するや否や、今度はクロアチアのサイケバンド7 That Spellsの日本ツアーに於ける3公演にゲスト参加し、その翌々日にはドイツへ、欧州最大のヒッピーフェスティバル「Herzberg Festival」にてGuru Guruのゲストギタリストを務め、続いて南仏Toulouseへ飛び、新進サイケプログレバンドAquasergeのレコーディングに参加、更に大英帝国Londonへ飛びAMT & TCIに合流し2週間のイギリス&アイルランド・ツアー、灼熱のお盆真っ只中に帰国するやMason Jonesの来日公演にゲスト参加すれども、流石に疲労と時差ぼけにて禁断の秘奥儀睡眠奏法炸裂、引き続き東京にて灰野敬二+吉田達也+河端一の録音へ、漸く明日香へ帰還叶えど即AMT & TMP U.F.O.の新譜の録音に突入、更にその間を縫いLSD-Marchの道下君とのデュオの録音、Acid Mothers階段のライヴも無事に果たせば9月下旬に突入、漸くAMT & TMP U.F.O.の録音も完了するや、今度は自殺行為かソロ3作品の録音を一挙に済ませ、更に昨年の「Acid Mothers Temple祭」にて行われた山本精一&Acid Mothers Templeのライヴ録音のミックスへ、さすれば15年フル稼働せしA-Dat1台がここで御陀仏、急遽A-Datを所持する知人より1台借り受け得れば大事には到らず、さて10月末にはAMT & TMP U.F.O.の欧州ツアーとダモ鈴木氏とのイギリス&アイルランド・ツアーも控えており、帰国するは12月にして、いよいよ恒例AMT祭と相成らん。斯様に多忙極むる過酷なスケジュールに於いても、ウェブサイトの更新やらツアーのブッキングやらCDのディストリビューションやら海外ミュージシャンの日本ツアーのオルガナイズやら通販業務やらもこなしておれば、そもそも文筆家にあらぬ故に大いなる労力を要する人声天語なんぞ、ついつい後回しにせんとせしは言わずもがな。
毎度ツアー日記はもう綴るまいと思えども、結局斯様にまたツアー日記を綴る事になるとは、既にネタに枯渇せしと自ら暴露せしが如き何とも情けなき話にして、ならばもう断筆せんと思えば「ツアー日記楽しみにしてます」なんぞと声を掛けられる事少なからず、結局断筆さえ叶わぬ有様。そもそも徒然に綴らんと思いて始めしものなれば、今後も気の向く侭に更新せんと思う次第。言い訳がましき前置きはこの程度にせんとすれば、今更なれど真夏に敢行されしAcid Mothers Temple & The Cosmic Infernoのイギリス&アイルランド・ツアー雑記なんぞここに綴らん。尚、今回のツアー直前に滞在せし南仏Toulouseにて、デジカメを盗難される憂き目に遭えば、今回の写真に関しては、東君と兄ぃのデジカメを借り受け撮影、生憎その2人が居合わせぬ際は撮影叶わず、後日みつるちゃんからも写真を譲り受けし次第、ここにこの三者に対し厚く御礼申し上ぐる。

今回のAcid Mothers Temple & The Cosmic InfernoのUK&アイルランド・ツアーは、僅か2週間と云う短期にして、されど真夏の観光シーズン故にフライトチケットが高騰するは当然、更に昨今の原油高に因り燃料費も高騰すれば、収支は赤字にこそならねども、決して儲かりもせぬ事明白か。またツアードライバーBenに支払わねばならぬドライバー代+機材レンタル費+ガソリン代+フェリー代等を概算すれば、凡そギャラの半分は吹き飛ばん。なればこそ今回のツアーに於いては、たとえ質素倹約に明け暮れし前回の欧州ツアー終了時に「質素倹約なんぞ糞食らえ!」と宣えども、またしても懲りずに質素倹約を旨とせんか。
(本文中に於ける外国為替レートは、1ポンド=205円、1ユーロ=155円にて計算。)

 

 

(2008/10/17)

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