『人声天語』 第141回「日伊共同戦線欧州道中股栗毛(AMT & TMP U.F.O.欧州ツアー2008)」其之四

11月11日(火)
午前7時15分、Doverのフェリーポートに到着。走行距離1000km以上、約5時間半に及ぶミッドナイトドライヴを終えしKoppaは、皆から「マエストロ!」と讃えられる。午前8時半のフェリーに乗船、猛烈な揺れにて船酔いせんと思えばソファーにて寝るのみ。1時間半のフェリーの旅を終えフランスに上陸、再び車中にて爆睡。ガソリンスタンドにて給油休憩の際、フランス版駄菓子を発見、各50セント。流石に欧州ならでは駄菓子さえも毛色が全く異なり、ピザとソーセージなり。ピザの方は、安物のパンの如きとも饅頭の皮とも云い難き生地の中に、胡散臭きピザソース擬きとチーズ擬きが挟まれし代物、確かに味は所謂ピザソース風味なれど、チーズ擬きが諄過ぎにして大いに胸焼けを誘う始末。ソーセージの方は、安物のサラミと云えば想像に易いか、兎に角諄い、諄過ぎる、まるでラードの固まりを食らいしが如き、これは一口食らうや吐き気さえ誘う有様、到底食し得る代物にならず。斯様に激不味駄菓子を食らいて育つフランス人なんぞが、その糞以下の味覚にて日本のレストランを偉そうに星幾つだのと査定すれば、その糞以下のアホ共によるランキングなんぞに見事煽動される日本人の愚かさ、ホンマにお前ら糞フランス人以下やんけ!所詮タイヤ屋のクソ共にランク付けされて喜んでるレストランもレストランにして、その阿呆ぶりにもうんざりなれば、ホンマやったら「お前らみたいなんに味の何が判るっちゅうねん!」と憤って然るべきやろが!ええ加減「舶来至上主義」とか捨てなはれ。「舶来至上主義」と云えば「左ハンドル」なんぞと云う全く以て不毛なステイタス抱く事自体、御粗末極まりない低レベルやっちゅうねん!同じ左側通行の大英帝国にそんなステイタスあらへんがな!そもそも運転しにくいやろ!ホンマにアホかっちゅうねん!それもこれも明治時代からの悪しき因習か。駄菓子ひとつ取り上げし処で、日本のそれとは雲泥の差、日本の食文化の偉大さをここにも垣間見れり。 日本人よ、もっと日本人としての誇りを持たんかいっ!


さてベルギーへ突入すれば、漸く朝飯とならん。ガソリンスタンドに併設されしレストランへ赴けば、東君やイタリア軍団はサンドウィッチ等を食しておられれど、然して食したき代物見当たらず、結局ベルギーと云う事から彼等のソウルフードたるフリッター(フライドポテト)にて済ませる。これこそイギリス同様に彼等の主食にして、道端のスタンド等にて売られしを歩きながら食するはオランダやベルギーの日常的風景なれば、日本に於けるコンビニおにぎりにでも該当せん。それにしてもケチャップが別途50セントとは是如何に。バーガーキング等のファーストフード店に於いては使い放題取り放題なれば、今後ケチャップも常備しておかねばならぬか。

日本人のフライドポテトの嗜好が「細い」「塩味」との記事をネットにて伺えど、個人的には所謂アメリカンスタイルの「太い」「ケチャップ添え」が好みか。フランス人の「マヨネーズ添え」イギリス人の「ビネガーぶっ掛け」は流石に遠慮したき処なれど、日本人に訊ねし「付けてみたら美味しそうなソース」にては「梅しそ」「味噌」「柚子胡椒」辺りの和風系こそ理解出来ようが、「メイプルシロップ」「バニラ」等の甘味系については、保守派の私には余りにも前衛的過ぎにて理解の範疇を超越せりかな。

ベルギーからオランダを経てドイツへ、我々一同は相も変わらず爆睡を決め込む。果たして人間とはどれ程眠れるものなのか。日頃平均4時間睡眠にて充分な私なれば、昨夜より既に数日分も眠りし概算とならん。
次に目覚めしは、昨夜より徹夜にて走り続けるKoppaが仮眠せんと、サーベスエリアに止まりし際なり。ここのレストランにてイタリア軍団が捕食の姿勢を見せれば、こちらも追従せねばなるまい。何しろここで食し損じれば、今宵食い損なう可能性も大なり。そもそもKoppaはトイレ休憩を殆ど取らず爆走し続ける為、またLorenzoとの抗争も彼が矢鱈と休憩を要求せし事に起因しておれば、常々ツアードライバーに対し大いに敬意を払わんとする我々は、無闇に「腹減ったので止めてくれ」だの「ションベンしたいから止めてくれ」だの云える筈も無く、またヒーターを入れれば睡魔を誘発する故にKoppaはヒーターを駆動させぬと推察すればこそ「寒いからヒーター入れてくれ」とも頼めず、然ればこそ津山さんは「ビール飲んだら絶対ションベン行きたなるやろ」と、ツアー時の愉しみとされし昼ビールさえも厳禁と自らに課せる程。さて我々も飯にせんと、レストランにてドイツ名物のシュニッツェルなる所謂薄っぺらい草鞋トンカツの如きを注文、日本のトンカツと異なり少なめの油にて炒め揚げる代物なれど、先日大根を購入しておれば、おろし金を召喚し大根おろしを作成、そこへ醤油を垂らしみぞれトンカツとして食らえば、嗚呼、何とも郷愁を誘う味なり。

日本国内をツアーする際、何故か不思議とトンカツに手を伸ばす事多し。ドライブインにて昼飯休憩にすれば、当初はうどんなんぞ食さんと思えども、いざ注文する際、ついついトンカツ定食やらカツカレーやらカツ丼やらを選びしものにして、駅弁なんぞにしてもトンカツ弁当やら名古屋名物味噌カツ弁当やらを食らいがちなり。これは旅を共にする事多き東君も同様なり。されど結果ついついトンカツを食ろうては胃もたれに苛まされ「しもた、やっぱりうどんにしとけばよかった…」と後悔する事頻り。何故トンカツを旅の御供に選びがちたるか。それにしても東京にて見掛けるカツ煮なる代物、一度食らいし経験あれど、あれだけは頂けぬ。折角のトンカツのサクサク感が汁に浸りて台無しにして、肉も揚げるのみならず更に煮る為に締まり過ぎ、旨味なんぞ疾うに失われしは当然なり。東京生まれ東京育ち生粋の東京人スズキジュンゾ君曰く「カツ煮って前の日の売れ残りのトンカツのリサイクルですよ!」通常トンカツとは、書き入れ時こそ多少の揚げ置きはするにしても、そもそも注文を受けし後に揚げ始めるべきものなれば、前日の売れ残りを再利用するなんぞ到底信じられぬ話にして、これが真実とするならば、東京のトンカツなんぞ到底金を払ってまで食うに値せぬか。
1時間の仮眠を終えしKoppaは再び走り始め、午後10時半に今宵の投宿先たるHamburgのパンク系クラブへ到着。イタリアン・パンクスのKoppaは、ここのオーナーと知り合いの様子にて、昨夜からの大移動の運転疲れも何のその、旧交を温めんと大いに盛り上がりしか。成る程、宿泊の経費を節約せんと、今宵はライヴが入っておらぬこのクラブにて投宿する運びとなりしか。さてここで東君が日用品や食糧が詰められし鞄を紛失せし事が発覚。どうやら昨夜の機材積み込みの際に、一旦バンから全ての鞄を下ろせし際に、見落とし積み忘れし様子なれば、食糧や着替は購入すれば何とかなろうものの、日本より持参せし大量のタバコechoが失われしは、タバコがバカ高き欧州に於いて致命傷とならん。常に自分の荷物は自分で管理する、これこそがツアー時に於ける心掛けに他ならん。車椅子のLucaと我々をここへ残し、Francesco達は防犯上の理由からバンにて眠ると云う。先日のケータリングより失敬せしスコッチを呷りつつ、Lucaと70年代イタリアB級映画やらイタリアの政治について歓談後、午前1時過ぎにステージ上にて寝袋に包まり就寝。

 

 

11月12日(水)
午前4時半起床。ステージライトが灯される下、既に午前8時頃かと思い目覚めれど早朝にして、されど流石に昨日ほぼ丸1日車内にて眠り続けておれば、最早これ以上眠れるものにあらず。兄ぃの携帯電気調理器を拝借し、オクラを茹でマヨネーズと七味がなければ代用としてホットソースを添え、麺つゆラーメンと併せて朝飯とす。嗚呼、オクラが何とも美味なり。

続いて兄ぃが起き出し、生姜とニンニクを大量投入せしスタミナラーメンを、更に津山さんも起きて来れば、オクラ入りカレーラーメンを、各々拵え捕食。東君も起きて来れば、昨夜鞄ごと食糧一式を失いし故、津山さんがラーメン1袋を寄贈。朝飯を食らえば皆再び爆睡されておれど、兄ぃが「今のうちにもう1回飯食っとこう…」と、徐ろに兄ぃのツアー食メニューに於ける十八番なる高野豆腐入り和風スープスパゲッティーの調理を開始。

午前10時半、バンで眠りし筈のイタリア軍団がクラブのオーナー達とお迎えに参上、彼等の爽やかな笑顔から、大凡オーナー宅か何処かにて投宿せしは明白か。車椅子のLucaを運び上げられぬ場所若しくは狭き家なればこそ、我々とLucaをここに投宿させしものか。そもそも我々は自炊し得る環境なれば、即ち最悪飲料水さえ確保し得れば兄ぃの携帯電気調理器にて調理し得る故、如何なる環境にても投宿し得る逞しさを持ち合わせれば、斯くなる場所にても全く以て問題なし。
午前11時にCopenhagenへ向け出発。空腹を抱えるが故に眠れず。デンマークへ渡るフェリーに乗船するやレストランへ直行。何しろデンマークの通貨デンマーククローネを所持しておらねば、デンマーク入国後は何も買い求め得ぬ故、ここで腹拵えするが本日最後の機会とならん。何かとトンカツ好きな私と東君は、昨日同様にシュニッツェルを所望、私はデミグラスソース添え、東君はマスタードソース添えを選択。昨日のものより豚肉に脂が乗っており、また揚げたてと云う事もあり大いに美味。

兄ぃはTeriyaki Chickenなる怪し気な代物を注文、果たしてこれが照焼かと云えば、全く照焼にあらざれど、今やteriyakiは国際的な支持を得ておれば、judo同様に既に別物と化せり。そもそも海外に於けるteriyakiとは、キッコーマンが海外進出せし折、当初醤油が全く売れねば、当時の社長がアメリカのBBQソースをヒントに「teriyaki sauce」なるを開発販売、これが大いに人気を博し経緯ありて、日本の照焼と全く異なるは当然なり。兄ぃ曰く「照焼と云うよりはオイスターソース味だね…うん、でも大丈夫だよ…米が食いたかったしね。」

津山さんはシチューの如き+パン3個を注文されておれば「これ安いかったわ!腹が膨れたら何でもええ!」ものの10秒程にて完食され何処へか姿を消されし。

鞄を失いし東君は「着替は構わんけんど、echoを失ったのは痛いなあ…」と云う訳で、免税店にて割安の手巻たばこを購入せんと目論めども既に店は閉店、気付けばもうデンマークに到着なり。
午後4時、今宵のLoppenに到着。まるで広大な大学構内の如きなれど、いきなり入口に警察が大挙して詰めておれば、どうやら麻薬売人の摘発とかで、さて敷地内には、多くの廃墟の如き建物に於いてアートギャラリーやらバーやらが営まれており、また屋台の如きが多く出店され、ヒッピー親爺やらパンクスやら芸術家気取りの若者やらで賑わう中、ホームレスやジャンキー相手の炊き出しなんぞも行われており、況して写真撮影禁止の立看板がそこらに立てられおれば、何とも怪し気な空気なり。
クラブに機材搬入を済ませれば、スタッフが今宵の晩飯を拵える最中か、ニンニクの強烈な匂いがホールにまで充満、大いに胃袋を刺激されれば、常々「No Hope」を掲げるにも拘らず、不覚にも晩飯に期待せし体たらくぶり。さてその晩飯とは、魚のタイカレー擬きなれば、全員思わず欲張り大量に盛り付ける有様。されど一口食らうや「うわっ!不味ぅ~っ!これは不味いわ!死ぬぅ~!なんじゃこりゃ!矢鱈塩っぱい上にめっちゃ不味いやんけ!」一見タイカレー擬きなれども、何と大量のオレンジが一緒に煮込まれし。私は運良くこのオレンジを取っておらねど、津山さんと東君は「ホタテやと思ったわ…まさかカレーにオレンジが入ってるなんて誰が思うねん!」と、この不味さの元凶たるオレンジを大量に取っており、見事に自爆轟沈。「久々にこんだけ不味いもん食らったなあ…完全に油断してたわ…ここがあの『究極の激不味料理バババーグ』を生んだデンマークやって事すっかり忘れとった!」

今宵はFrancescoの彼女が遥々イタリアから訪問、御陰で彼は何とも落ち着かぬ様子。彼も男なればこそ、我々に「絶対彼女に余計な事は言うな!」と釘を刺す始末。男の友情とは、斯くの如く秘密の共有に由り更に強靭となるものなり。 今回の成田からのフライトに於ける私の救世主Martinと再会、先達てのCopenhagen滞在に於ける彼の親切については、幾ら感謝しても余りある。今宵は彼女の御前演奏と云う事もあり、Francescoの気合い半端にあらず、満場の客からStearicaにアンコールが掛かり「時間あるからやっていいよ」と彼に告げれば、更に15分の熱きステージを展開。
終演後、機材積み込みに際し、昨夜失踪せし東君の鞄が、車内より発見されし。 午前3時、何やら一見豪華なホテルにチェックイン。斯様な豪華ホテルに投宿する日に限り、翌朝は早く発たねばならぬとは毎度の事なれど、これも哀しきツアーバンドの宿命なるか。勿論彼女同伴のFrancescoは、彼女と2人してイタリア軍団とは別室へ。彼曰く「今夜は眠る暇もない!」未だ20代後半の彼なれば、お盛んなるは当然にして況してや好色極まりなきイタリア人、然もありなん。 猛烈に熱めの風呂に入浴、末端の血行が促進されるを実感。寝酒にスコッチを呷り、午前4時半就寝。

 

 

11月13日(木)
午前7時45分、iPod touchのアラームにて起床。今朝は午前8時半に出発とFrancescoから伺っておれば、先ずは朝飯を求めホテル内レストランへ。久々にハム各種や茹で玉子等も並ぶコンチネンタル・ブレックファーストのビュッフェ。茹で玉子と胡瓜にてサンドウィッチを拵え、茹で玉子3個をも失敬し、お昼のお弁当も完成。

結局イタリア軍団は、午前8時出発と云いながらも、矢張り午前8時半過ぎにレストランへ現れれば、まあ出発は9時15分辺りと踏んで部屋へ戻る。 結局午前9時半、チェックアウト。Francescoの彼女とは一夜限りでお別れ。彼曰く「ハッハッハッ!昨夜は寝ずにナニし捲った!人生に最も必要なのはナニだ!ナニがなければ死んだ方がマシだ!」勿論彼女が相手なれば、例のポイントには数えられる筈もなし。されどいざOsloへ向け出発するや否や、Francescoを含むイタリア軍団は奇麗な女性を見掛ける度に、窓を開け車体を叩きアピールプレイ。お前、彼女が帰った途端にそれかいっ!
途中立寄りしガソリンスタンドにて、ハーゴコアポルノのDVDが大量に売られる様を見れば、日伊軍双方共に「おおおおお~っ!」流石は世界初のTVに於けるポルノ解禁国デンマークなり。ここで津山さんは、朝飯のビュッフェより失敬せしバケットを食さんと、その長大なるバケットを口にくわえるやここで1ギャグ「東君、火ィ貸して!」この様にイタリア軍団は爆笑「cazzo!(ち*ぽ)」を連呼。ホンマわしらと同じアホですな。

フェリーにてデンマークからスウェーデンMalmoへ。上陸後、再び一路Osloを目指す。流石にイタリア軍団も睡眠不足には勝てぬのか車中爆睡状態にして、話し相手の居らぬKoppaがカーステにて流すBlack Sabbathの1stが爆音にて響き渡るのみ。ここ数日車中大爆睡を決め込みし私は、斯様な折にこそ仕事せんとMac Book相手にあれやこれや。サンドウィッチと茹で玉子にトンカツソースを添え食せば、思わず玉子とトンカツソースのハーモニーがとん平焼を彷彿させる。車中にて津山さんは再び捕食活動を再開、バケットやら大根やら果物やらを次々丸かじり。「何でもええねん、腹さえ膨れたら…。」

大抵の欧州人は老若男女問わずチョコレート好きにして、チョコレートをタバコやコーヒーやアルコール同様の嗜好品として捉える節もあれば、四六時中チョコレートを食らいしか。Francescoが、私を超激辛党と知ればこそ、唐辛子入りチョコレートを「これは辛いぜ!」と差し出せど、確かに後味に若干唐辛子の風味を感じ得れど全く平気なれば、大層落胆せし。そもそも欧州人は然して辛党にあらざりて、アメリカ人の如く中南米料理の影響等にて辛党になる術もなく、況してや激辛ブームなんぞが巻き起こる日本に比べれば、彼等を「辛い」と云わしむるレベルなんぞ、屁の如き辛さなり。嘗てイタリア人にカラムーチョを食わせし処、まさしくCMの如く「ヒィイイイイイイ!死ぬぅ!こんな辛いもん誰が食うんだ!」と絶叫させし経緯もあり。

ノルウェイ国境越えに際し、国境警備隊に制止されれど、そこはKoppaの「未だAmsterdamに行く前だから何も持ってない!」との冗談にて無事通過。Koppaは、如何なるトラブル等も突破し得る「magic cazzo(魔法のち*ぽ)」を所持すると常々自慢しておれば、この国境無事突破の際も、皆から「Magic cazzo!!」と、その功績を賞賛されし。その後私はiPodにてSquimaotoの1st + 2ndを聴きつつ爆睡。
午後6時、今宵の会場Garageに到着。 旧友のPerやPetterと再会。 晩飯はPer達も一緒にタイ料理屋へ。そもそもイタリア人とは、自らの食文化に大層なる誇りを持つ故、他の欧米人の如く他国の料理を殆ど食らわねば、御多分に洩れずイタリア軍団も人生初のタイ料理と云う訳で戸惑うばかり。矢張り前菜からと春巻を食しては微妙な反応。我々が箸を巧みに使う様を見て興味深々、正しい持ち方を教えるや大喜びにて箸で何とか食らわんとす。私は海老と野菜類のココナッツカレーソース炒めを注文、大振りの海老のプリッとせし食感が至福感を誘う。唐辛子味噌を和えれば味の輪郭もシャープとなり大いに美味、更にライスに甘めの永平寺味噌の如きを和えれば、その程良き甘さと辛さが相まり豊穣な味の奥行を醸し出せり。

イタリア軍団も全員完食すれども「凄くヘビーな料理でもう腹が苦しい」と苦悶。私にすればイタリア料理の方が遥かにヘビーにして、嘗て私の消化器官を完全に殲滅せし経緯数知れず。されど彼等に限らず欧州人にすれば、米は大いにヘビーな食物らしく、そもそも我々が朝から米を食らうと知るや「あんなヘビーな物を朝から食うなんて信じられない!」と返されるが常なり。西洋人は、必要以上に摂取せし脂肪を体外へ放出させる酵素を先天的に持っておればこそ、あれ程脂っこい代物を大量に食らいても平気なれど、長きに渡り飢饉等にて貧しき食生活を強いられし我々日本人は、斯様に贅沢なる酵素なんぞ持ち合わせておらねば、イタリア人同様にオリーブオイルやら肉やらを摂取すれば、彼等の倍以上の肥満に苛まされるは必定、食生活の違いはその体内の構造等にも起因せり。この酵素の件以外にも、農耕民族なる日本人の腸の長さは草食動物同様に長けれど、元来狩猟民族なる西洋人の腸は肉食動物同様に短く、故に排泄する糞の量も大いに異なれり。嘗て太平洋戦争に於いて、アメリカ軍がサイパンか硫黄島か何処ぞの島へ上陸作戦を展開せし際、日本軍の排泄せし糞の多量さから大軍が駐留すると思い違い援軍を要請、結果日本軍は自身の捻り出せし多量の糞に因り殲滅されしものなり。
Oslo公演は、過去2回連続アンプを御陀仏後昇天させており、況して前回は取替えしアンプを次々と殲滅せし経緯あれば、Perは「今夜もアップ吹っ飛ばすんじゃないのか?」と杞憂の表情、その話を聞きFrancesco曰く「俺のアンプは半年に1度メンテに出してるし、ここまでも大丈夫だっただろ?絶対今夜も大丈夫だ!」アンプは無事のまま終演すれば、Per曰く「これでOsloでのジンクスは消えたな!じゃあ次回また僕がオルガナイズしても大丈夫だね!」Per達と歓談後、午前2時過ぎにクラブから徒歩5分のホテルへチェックイン。されど今宵Koppaは、クラブのバーにてパンク姉ちゃんを口説いておれば、どうやら見事口説き落とせしか、2人して夜の闇へと消え去りし。ホテルの部屋の壁にムンクの絵が飾られし辺り、流石はOsloか。午前3時半就寝。

 

 

11月14日(金)
午前7時半起床。昨夜、朝飯はドアノブにぶら下げられると伺いてはおれど「クリスマスの靴下やあるまいし、そんなサービス聞いた事あらへんで」と、大いに半信半疑なれど、起き抜けにチェックすれば、確かに朝飯が詰められしビニル袋がドアにぶら下げられており、これには「ホンマやったんや!」と思わず驚嘆。その朝飯とは、サンドウィッチとオレンジジュースとリンゴ1個なれば、そのまま車中での弁当とせん。

熱めのシャワーが快適なり。備え付けの電気湯沸かしポットが、沸騰すれども電源落ちる事なく果てしなく沸騰し続けておれば、この熱湯を利用し、朝飯として、大根おろしと鯖缶にによる鯖おろし麺つゆラーメンを拵えんとす。即席袋入り麺は、日清チキンラーメンの類いを除けば熱湯にて煮る事が調理方法の大前提なればこそ、熱湯に付け置くのみでは麺が茹で上がらず、大層不味き結末を誘うを重々承知しておれど、この電気湯沸かしポットは何故か果てしなく沸騰させ続ける故、この熱湯を注ぎ足す事により何とか即席袋入り麺を熱湯のみにて調理し得らんと思いしものなり。先日入手せしプラスティック製蓋付き御椀にラーメンの麺を入れ熱湯を注ぎ、蓋をして待つ事1分、ここで再び熱湯を注ぎ足し、再び蓋をし待つ事1分、ここに見事麺は仕上がれば、一旦湯を捨て、麺つゆと熱湯にて調合せしスープを麺に注ぎ、葱と大根おろしと鯖缶を添えれば完成。大根おろしと鯖のハーモニーが何とも郷愁を誘い、これは感涙ものなり。このにしんそばならぬ鯖おろし麺つゆラーメン、大いに美味なり。

ホテルの向かいがスーパーなれば、この機会にと袋入り即席ラーメン4袋を購入。Koppaは殆ど休憩等を取らず長時間爆走する故、特に今回のツアーに於いては、何時如何なる場合なれども「食材は入手し得る機会を逃さず入手すべし」これを肝に銘じておかねばならぬ。
午前10時、一路Kristiansandへ向け出発。昨夜見事ナンパに成功せしKoppaに、Stearicaの面々が昨夜の様子を訊ねれば、ナンパに成功せしパンク姉ちゃん宅にて事に及んでおれば、そこへ偶然帰宅せしルームメイトの女性と鉢合わせ、何と幸運にもルームメイトの女性も交えての3P状態と化せりとか、この顛末を聞くやFrancesco曰く「それは俺の夢だ~!お前の夢じゃないだろ~!」結局これにてKoppaは一夜にして200ポイントを獲得、イギリスでの100ポイントと合わせ計300ポイント、今尚他の全員が0ポイントなれば、これにて大きく水を開けし。それにしても恐るべしは、何の衒いも無くルームメイトと3P化するノルウェイ女性の性観念か。ハーレムこそ民族国籍を越えて男の夢に他ならじ。 されどKoppa曰く「今回は何故かノルウェイ女ばっかりだ…俺は北欧女はあまり好きじゃないのに…」ならば何処の国の女性が一番良いかと訊ねれば「やっぱりアメリカ女がサイコーだ!何しろあいつらはアホで、セックスの事しか考えてないからな!ハッハッハッ!」その後、彼のアメリカでの信じ難き武勇伝の数々を聞かされれば、矢張りパンクスってモテるんか?そもそも我々の客の殆どは男にして、たとえ若い女性客を見掛けれど、大抵は彼氏に連れて来られし類いなれば、斯様なハッピーハプニング起こり得る筈もなし。
車中再び大爆睡にして、午後4時に今宵の会場Charlie’s Barに到着。店内にチャーリー・ブラウンからJony Cashまでに到るCharlieの名を持つ著名人の肖像写真や肖像画にて埋め尽くされておれば、これ成る程と思わず感心せり。ケータリングとして、サンドウィッチやらエンドウ豆の類いが用意されておれど、何とエンドウ豆が生なれば「エンドウ豆を生で食えって云うんかい!豆はせめて茹でようや!何でも生で食うって事と素材の味を楽しむって事は全然違うやろ!」と、不平不満爆発すれど、嘗てアメリカに於いても、サラダに生のキヌサヤが入っており、大層驚きし経緯あり。欧米にてはマッシュルームやブロッコリーもサラダに於いては生にて食らうも常なれば、ホンマにお前らサラダって云うたら全部生かいっ!素材の味を最も堪能し得る調理方法ってもん知らんのか!そのくせ茹でたらオーバーボイルで食感を楽しむなんぞ皆無、ホンマ狩猟民族ならではの野蛮人ぶり、ほんでいて生レバーとか気色悪いってどう云う了見しとんじゃ!ボケがぁ!そんなお前らに「鯨を殺すな!」とか云われる筋合いないんじゃ!何が「鯨やイルカは友達、癒される~!」じゃボケぇ!そんなもん全部ぶち殺して食うてもうたらええんじゃ!されどノルウェイ人はバイキングの末裔にして、日本人共々鯨を食す独自の食文化を持っておれば、彼等に対しては前言撤回せねばなるまいか。さて生のエンドウ豆、味はまさしく青臭き事この上なく、まるで雑草でも食むが如し。されどスタッフ達が食らう姿を眺むれば、皮を剥き中身の豆だけを食しており、ならばと豆のみを食めば、然程青臭くもなく一応食える範囲か。

界隈を散策すればアジアンマーケットを発見、Francescoより残りの行程はホテル泊が殆どを聞かされておれば、熱湯のみにて容易に調理し得るカップ麺2個を購入。これにて今朝購入せし袋入り即席ラーメン4袋と合わせ、当面の食糧を確保。

クラブのカウンターにてビールを呷りつつ、タウン誌なんぞ捲っておれば、ラーメンの様々な料理方法の紹介記事に唖然。レシピがノルウェイ語なれば解読不可なれど「ラーメンを利用せしサラダ」「赤ピーマンのラーメン詰チーズ焼」「チキンのグリルのラーメン添え」とでも呼べばよいのか。ラーメンに対し固定観念が希薄なるノルウェイ人なればこそ発案し得し代物か。成る程日本に於ける和風スパやら冷製スパ、挙げ句はパスタサラダの類いも、イタリア人にとっては想像を絶する代物の数々なれば、これら革命的とも云えるラーメンの数々も認めざるを得ぬか。それどころか世界で最も食に対し飽くなき探究心旺盛なる日本人なれば、況してやラーメンは国民食にして今や次々と新種のラーメンが開発される日本なればこそ、斯様な北欧ラーメン料理を凌ぐ、ラーメンの常識どころか概念さえも覆す超ド級革命的ラーメン、例えば高級ラーメン懐石なんぞが登場しても不思議にあらず。

今宵は開演が午後11時なれば、会場近くのホテルへチェックイン。ホテルの向かいのレストランにて晩飯を食わんと赴く。メニューがノルウェイ語のみなれば、結局何とか解読せしウイスキーソースの牛フィレステーキを「血の滴る程のスーパーレアで」と注文。食事が運ばれて来る間も、イタリア軍団は店内の女性客や女給陣のみならず、果てはガラス窓越しに見える通りを行く女性達までも物色しては、強烈なアピールプレイを展開。こいつらホンマもんのアホや…恐るべきはイタリア人の能天気さに裏付けられし果てしなきポジティヴパワーか。たとえ女性が彼等を奇異の目で睨み返そうが、全く以て懲りる様子もなく、ひたすらアピールし続けるのみ。さてステーキは焼き具合も素晴らしく、ウイスキーソースなるも胡椒の風味も豊かにして、大いに美味なり。

ホテルへ戻れば思わず爆睡、東君と津山さんは既にShopzoneへ出動しておれば、開演時間の午後11時に兄ぃに起こされる始末。会場へ赴けば既にStearicaは演奏中にして、踊り狂う満場の客にて会場内は大層な盛り上がりなり。
午前2時半にホテルへ帰還、同室の東君と、一足先にお休みの津山さんに気遣いこちらの部屋へ訪れし兄ぃと、各々ウイスキーやワイン片手に歓談。酒盛もお開きとなれば、空腹なる私はラーメンでも食さんと思い、ならばこの際洗面台の湯にてラーメンをふやかす作戦に打って出ん。シャワーを浴びる前に洗面台に、例のプラスティック製の御椀に麺を入れ、蛇口より湯を注ぎ放置、シャワーを浴び終えれば、麺は見事に膨張しており、今朝購入せしこのEuro Shopper製の格安ラーメンは、どうやら製麺技術の低さからか容易に伸びる様子なれば、それが見事に幸いせしか。先ずは湯を切りてポン酢を麺に絡ませ、大根おろしと海苔とおろし生姜を加えれば、おろしポン酢ラーメンがここに完成。おろしポン酢は大いに美味なり。

明日は早朝7時に出発と伺っておれば、あのイタリア軍団の事なればどうせ午前7時半頃に遅延されんと思い、iPod touchのアラームを午前6時50分にセット。午前5時就寝。

 

 

11月15日(土)
午前6時50分に起床すれど、午前7時、想定外の起床するや否や即Aalborgへ向け出発。時間通りに出発とは想像だにしておらねば、イタリア軍団やれば出来るんやんけ。午前8時、デンマーク行きフェリーに乗船、成る程このフェリーに乗り遅れてはならじと、珍しく時間通りに出発せりか。乗船するや否やソファにて即寝成仏。2時間程の仮眠後、東君と兄ぃと共に、船内のレストランへ。嘗てアメリカにて熾烈なホットドッグ戦争を経験せし我々は、(人声天語第137回「北米ホットドッグ殲滅戦線内ゲバ戦記(AMT & TMP U.F.O.北米ツアー2007)」参照)デンマーク名物の巨大ホットドッグを前に敵前逃亡なんぞ出来る筈もなく、それどころか敢えて完全粉砕殲滅せんと挑むものなり。トッピングの天かすの如きも添え、オーソドックスにケチャップとマスタードにて頂けば、私がケチャップをジグザグに添えるを見て東同志曰く「おっ!そのケチャップの付け方、タダモノじゃあないねえ!」

ホットドッグ1本が22ノルウェイクローネ(当日のレートにて約242円)なれど、ドリンク付にすれば45ノルウェイクローネ(495円)と倍額以上になれば、ドリンク付セットを所望せし東君は「えっ?コーラの方がドッグより高い?…なしぞぉ!」と憤りし。

その頃津山さんは、船内某所にて謎の猟奇事件に巻込まれしか…?

午前11時過ぎにデンマーク再上陸。午後12時半、Aalborgに到着しホテルにチェックイン。早速昼飯でも食わんと、兄ぃより携帯電気調理器を借り受け、大根おろしと鯖缶による鯖おろし麺つゆラーメンを拵えんとす。麺つゆと湯にてスープを用意し、そこへ即席ラーメンの麺のみをぶち込み、葱と大根おろしと鯖缶におろしを加え、今回は更におろし生姜をも添えれば出来上がり、大いに美味なり。

同室の東君は、ラーメンの麺にポン酢をぶっ掛けしポン酢ラーメンを食しておられれば「美味いっ!これならもう1玉茹でればよかった…。」

先日日本より持参せしカップ天婦羅そばを堪能しておられし彼曰く「ああいうの(日本から持参せし食材)を食べてると『負けてる』気がするがよ…やっぱりこっちの食材を使うてそれをどれだけ美味く食うか…それがツアーの飯って感じぞ…」ツアーの度に、各自何かと工夫してはより美味いものを食わんとして今日に到れば、今や殆ど完成形に近付きつつあると思われる。必要最低限の調味料等のみを持参し、こちらの安価な食材を駆使し、充分に満足感を得る程の食事にまで昇華させんとする事こそ、ツアー食の真髄に他ならぬ。故に毎回日本より持参するツアー必携品A代表のラインナップは若干入れ替えられ、より最強の布陣を目指すものなり。嘗てA代表を勤めし練りわさびや柚子胡椒やコチジャンも「実はあんまり役に立たん」との理由から今や代表落ち。一時はバンド内にて一大ブームさえ生み出せしふりかけ型スパゲッティーソースやレトルトカレーや真空パックごはん等も「味に飽きる」「重たい」との理由からA代表落ちし久しきかな。日頃スーパーや百円ショップ等へ赴く度に、ついつい新たなA代表候補を探さんとするは、今や習慣とさえなりしか。
午後4時半、今宵の会場Studenterhusetへ。ケータリングのチキンサンドウィッチは、カレーの香りこそすれども味は皆無、ホットソースをぶっ掛け取り敢えず腹の足しにせり。

界隈を散策すれど通りを行く人影疎らにて、とてもクリスマス前の週末とは思えず、通りを飾るクリスマスの派手な電飾が空しさを煽る。イタリア軍団は、ケータリングの果物にて彼等曰く「コンテンポラリーアート」を製作し、「cazzo!」やら「figa!」やら今や世界共通語となりし「Bukkake!!」やらと爆笑しておれば、何ともアホの極みなり。愛すべき輩共かな。ところでこの「Bukkake」なる単語は、最近海外にて流行せし様子にて、そもそもは日本のロリータ・エロ・コミックに語源を成すとか。イタリア軍団も明確なる意味を理解せずに、単に聞き覚えにて使いし様子故、日本人として正確なる意味を説明後、更に日本語的には「顔射」の方がより一般的と云うや、今度は「Gansha!!!」を連呼し始める始末。更に自慰のゼスチャーにて「sborrare!」と連呼しておれば、その意味を訊ねし処「射精」にして、それ以来我々が「sborrare」を連呼し始めしは云うまでもなく、結局ワシら同じレベルっちゅう訳ですな。

晩飯はタイ料理のデリバリーにて、私はスペシャルチキンタイカレーを所望、ココナッツミルクをベースにせし所謂タイ風煮込みの類いなれば、香辛料の風味希薄にして、甘酸っぱさのみが口に残れども、充分食し得るレベルかな。

パクチー嫌いの東君は、見事パクチー満載の代物を選択しておれば、パクチー好きの津山さんが「俺のはパクチー入ってへんから交換したろか?」これにて漸く食し得るかと思いきや「うぷっ!これもパクチー入ってますね…パクチー嫌いな人間にはちょっと入ってても判りますからね…」ならばと私が「俺のんは絶対パクチー入ってへんからこれと混ぜてパクチー風味薄めてみる?」されど酸っぱいもん嫌いの東君は「うぷっ!これも無理ぞ!俺ってタイフード無理なんかな…パクチーさえ入ってなけりゃなぁ…」すっかり不貞腐れモードに突入。嘗ては私もパクチー嫌いであれど、激不味料理戦線に対し百戦錬磨の強者と化すや、今やパクチー好きに転向、挙げ句東君に「裏切者」呼ばわりされる始末。確かに嘗てパクチーに対し「青虫の舌ベロの臭いが味になったみたい」との理由から忌み嫌っておれど、そもそも山椒とミョウガが大好物なる私なれば、その山椒やミョウガと類似せしと気付き突如パクチー好きに転向、されど今やパクチーを敵視する東君に何を助言しようが、馬の耳に念仏不毛極まりなし。

Koppaの話では、彼はここAalborgに数度訪れし事あれど、彼の出演せしパンクフェスティバルに於いて、フーリガンが大暴動を起こし、それ以来クラブ等の状況は頗る酷い状態とか。道理で通りの人影も疎らなりしか。然れば決して満員御礼とまではならざりし今宵でさえ、彼に云わせると大成功とか。 午前2時、ホテルへ帰還。デンマークのテレビの真髄たるエロチャンネルを発見すれば、東君共々観賞。熱めの風呂に入りし後、午前3時半就寝。

 

(2009/1/3)

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