『人声天語』 第107回「旅姿4人衆ぶらりアメリカ彷徨記(Acid Mothers Temple US tour 04)」#9

6月9日(水)

午前8時半起床、Philが用意してくれたトーストにて朝食。津山さんの話では、ユウコさんがカレーライスを用意してくれていたらしいが、それに気付かず不覚にも食い逃す。嗚呼、残念至極。LAで購入せしレコードを段ボールに詰め、Philに発送を依頼。斯くも大量に買っては発送しておれば、一体ここまで何枚購入したのか既に定かでなく、確実に云える事は、ギャラを貰いし処で懐具合が全く豊かにならぬと云う事のみ。

正午、いよいよテキサスへ向けて出発。Jonの計画では、当初2日半でテキサスのDentonへ向かう処を、何と2日間で走破する予定だと云う。今やSamも居らぬし、サブドライバーの東君も風邪にてダウンしておれば戦力外通知、全く独りにて完全走破するその意気込み、大いに感服して余りある。
San Diegoの市街を抜ければ、いきなり荒涼とした石や岩ばかりの景色となり、これから延々と続くであろう砂漠へのプロローグと云った処か。

この岩場を抜けるや、見渡す限り荒涼とした砂漠が眼前に果てしなく広がる。砂漠と云えど、本当に砂だけの地域は僅かで、多少の植物が群生するサバンナのような具合なれど、人家どころか牧場や農地がある訳でもなく、一体いつの時代からこの姿をここに晒しているのか、全く未開発のただ荒涼とした大地。

大快晴なれば空に雲のひとつさえ浮かんでいる訳でもなく、全くもって退屈な景色なれど、この荒涼とした景色をずっと眺めておれば、何故か次第に生きる気力さえ失せて来そうである。矢張り周りに緑が茂り、何か生命の活力なりを感じられなければ、どうも自身の生命エネルギーも摩滅していくのであろうか。勿論斯様な所でさえ、しぶとく生きている生命も各種あるのであろうが、それはただじっと耐え忍んでいるだけにしか感じられなければ、そこに大いなる生命の活力の豊かさを感ずる事は出来ぬ。ドライブインにて休憩すれば、気温は約40度近くひたすら暑けれど、異常に乾燥している為、全く一筋の汗さえ流れて来ぬ。ずっとここに居れば、きっと干涸びてしまうのであろうか等と想像しつつ、猛スピードで行き交う大型トレーラーを眺めるのみ。
いくら車で走ろうが、砂漠の彼方に伺える岩ばかりの禿山へ次第に近付き、その禿山を越えれば再び荒涼とした砂漠が開け、遠くにまた別の禿山が臨め、それへ近付いてはまたそれを越えと云った塩梅にて、延々と同じ景色を繰り返す。東君は、風邪の症状が更に悪化した様子なれば、かなり発熱しているのであろう、寝袋に包まり玉の汗を流しつつも、薬の御陰でか爆睡。如何なるツアーも、ただ楽しいだけでは済まぬもので、毎回かなり心身共に過酷な事の方が多く、されど辞められぬのがこの稼業の甘露さか。如何に辛いツアーであっても、終わってみれば毎度「楽しくていいツアーだった」と思えるのも不思議なれば、まあ過ぎ去りし苦難なんぞも時が経てば笑い話になるもの。人間の記憶とは、何と都合よく出来ているのであろう。故に性懲りもなく同じ過ちも繰り返せば、我々こそ何とまあ阿呆の極みでもある事か。

Philが、今回の道中から少しばかり外れた場所に「Tombstone(墓石)」なるゴーストタウンがあると話していた。そこは今でも前時代的な生活スタイルのままだそうで、しかもそれは観光客の為の見せ物なんぞではなく、全くシリアスなものだとか。完全に時間が停まってしまっている街と云った処か。私は時間があれば是非そこを訪れてみたかったが、斯様な時間ある筈もなく、また津山さんに話すや「そんなん行ったら撃たれるんちゃうん?」

漸く陽が傾いてきた頃、突如巨大なサボテンが群生しているエリアに突入。この景色は、これまでの退屈至極なそれとは異なり、何かしら戦慄さえ感ずる。陽が傾き長い影を落としているせいもあるのか、その珍妙にして巨大な姿のサボテンは、どれもこれもが、通り過ぎる我々に向かって何かを訴えんとしているように思えてならぬ。

嘗てここら辺りを通り抜けんとした人々が、空腹のあまりサボテンを食べるや、映画「マタンゴ」宜しく「サボテンを食べるとサボテンになっちゃうのよ」と、サボテンになってしまったかのようにも思えるし、それともサボテンの化身である美女の誘いに乗って良い思いをするや、翌日にはサボテンにされてしまった哀しい男達のなれの果ての姿とも思えて来る。何につけてもこの優に5m以上はあろう巨大サボテン群、10年で数cmしか伸びぬと云うから、一体どれ程の時間をここで過ごして来たのであろう、その珍妙にして哀しげな姿から、通り過ぎる我々に一体何を訴えようとしているのか。

津山さんの話では、ここら辺りの砂漠に迂闊に入り込めば、サソリやガラガラ蛇やら毒蜘蛛やらが棲息する為、非常に危険との事。確かにドライブインに於いても、有刺鉄線まで張り巡らせたフェンスが設営されており、満更大袈裟な話でもなさそうである。サソリの毒程度では、刺され所が余程悪くない限り命に別状はないそうだが、ガラガラ蛇に咬まれれば死亡確立はかなり高いとか。
そう云えば、アメリカに来て以来、連日テレビの報道番組でお目に掛かる竜巻のニュース。この辺りは竜巻のメッカでもあれば、是非とも一度はこの目で見てみたいものなれど、見事直撃されれば如何な惨事と相なるやら。津山さん曰く「竜巻に真正面から勝負を挑み素っ裸で空を飛んでみたい」確かにその姿、是非とも拝んでみたいと思えど、ならば竜巻は何処?

この地方はUFO目撃証言の多い所でもあれば、そこいらにUFOの基地等があるやもしれぬ。人生に於いて2度程UFOを目撃している私としては、その猛烈な好奇心から是非ともUFOにお目に掛かりたい処なれど、偶然UFOを目撃し得たとしても、運悪く拉致され人体実験なんぞされようものなら堪ったものではなし。「X-File」好きの私なれば、ドライブインで見掛けた人達も、実は全て既に地球外生命体に寄生されておるやもしれぬ、いやここら一帯を中心として、既に宇宙人に入植されておりのでは等と、 否応にもいろいろとある事ない事想像しがちにして、ではこの先我々の行く手に待ち受けるは、猛毒サソリやら巨大毒蜘蛛やら殺人ガラガラ蛇のみならず、恐怖の大魔王が操る巨大竜巻やら大砂塵、そして地球外生命体に寄生された地元民達であったり、宇宙人が操るUFO群、更には恐怖サボテン人間かもしれぬと思えば、ツアーバンドとは、何と危険を伴う稼業である事か。過ぐるかの「September 11th」の際もアメリカをツアーしておれば、その他にもテロ行為とのニアミスは今まで数知れず、されど今回の危険性の方が余程空恐ろしいではないか。何せ人智の到底及ばぬ危機的状況なれば、如何なる方法で攻撃されるかさえ、全くもって想像さえ及ばぬのであるから。嗚呼、果たして我々は無事にツアーを完遂する事が出来るのであろうか。

殆ど陽が沈む頃、ドライブインにて休憩、ホットドッグとV8を食し、カップヌードル2個を購入。今宵の目的地はEl Pasoなれば、ここからもう一息か。腹も膨れ周囲も既に真っ暗なれば、車内にて爆睡。
El Pasoのホテルに深夜12時到着。ダブルベッド2つが置かれてる1室へチェックイン。東君は着くや否やベッドに倒れ込み爆睡、一体この男、今日1日でどれ程目を覚ましていたか。Jonには明日も頑張って運転してもらわねばならぬ故、ベッドを譲る。津山さんは腰が痛いとかで、柔らかいベッドよりも床で寝る方を選択。私は先程爆睡した故、例によって徹夜モードなれば、先ずは先程購入せしカップヌードルを食し、ネット接続してメールチェックやらブッキング等の雑務をこなす。はじめちゃんは、東君の横で眠るや、例によってまたしても東君に抱きつかれ、結局は床へ移動して寝ておられる次第。ツアーも中盤を過ぎた辺りで、必ずや登場するのが、この東君の「抱きつき事件」であり、この最初の被害者は他ならぬ私であったが、眠っていると突如あの馬鹿デカい手が肩を抱き、脛毛も生えた足が絡み付いて来るや、あまりの戦慄にて跳び起きた程、彼は寝言やら夢遊病やらと寝ている間もいろいろ事件を起こすのだが、翌朝本人はまるで記憶にないのであるから幸せなものであるが、一方では何と不幸である事か。
実はプロレス好きなJonとプロレス談義に花が咲くが、明日の運転の事も考慮してベッドへ入ってもらう。皆が寝静まるや、独り雑務処理に明け暮れるれば、いよいよ朝となる。

6月10日(木)

結局徹夜にして、AMT秋のヨーロッパ・ツアーのブッキング等の雑務をこなす。湯舟に湯を張り、のんびり入浴。ここのホテルも朝飯のドーナツ等用意されておらねば、再びカップヌードルを洗面台の湯で作り食さんと思えど、もうカップヌードルに食傷気味なれば、そろそろ何か新メニューを考案せねばならぬか。そこでスープを捨て、残された麺にキムチふりかけを混ぜれば「超即席キムチ焼そばもどき」の完成。これがなかなか美味なれば、当面はこれで凌ぐしかあるまいか。
東君の風邪はいよいよ悪化、私も含め全員が軽い喉の痛みを訴えておれば、既に全員に感染している事も間違いなし。後は如何に上手く自己管理し得るか、そしてどれ程の基礎体力や抵抗力があるか、その2点がここから風邪を拗らせてしまうかどうかの分かれ目であろうか。

午前11時チェックアウト、本日もひたすら荒涼とした砂漠をひた走るのみ。風邪が悪化した東君は、車中もブランケットを被りひたすら爆睡。時折目覚めれば、ゴホゴホと咳込む有様なれど、まあ何とか今日中に峠さえ越えれば、明日より9日連続でライヴ故、自ずから快方に向かう事であろう。
昼食は、マクドにてビッグマック単品を購入、これと今や絶対必需品なるV8とで、車内にて簡単に済ませる。今朝荷物を整理していた際に、行方不明となりしカメラを漸く発見した津山さんは、何とかサボテンの写真を撮らんと張り切っておられたが、どうやらサボテンが群生していたのは昨日通過した辺りのみの様相なれば、その悲願残念ながら叶わずと云った処。
延々と続きし荒涼とした砂漠地帯から、石油か液体天然ガスか、何やら地下資源の採掘がやたらと為されている地帯に辿り着くや、津山さん曰く「せやせや、こうやって土地は有効利用しようや!」されどその採掘機械が何とも珍妙なる姿なれば、まるで宮崎駿男のアニメにでも出て来そうなフォルムにして、その巨大なロボットがまるで田植えでもしてるかのような動きなれば、まるで宮崎アニメの世界に入り込んだかのような、何とも不思議な面持ちとなる。

我らが誇るドライバーJonの凄い頑張りにより、当初2日半を要して辿り着く筈であったDentonまであと1時間程のホテルに、午後7時チェックイン。車中にて爆睡した東君は、薬の効果もあってか、多少調子は良くなったか。残す処の怒濤の9夜連続ライヴを前に、勘定奉行津山さんの計らいにて、先ずは各自ベッドで安眠し静養出来るようにと、今宵は3部屋を取る。そう云えば、今回のツアーに於いて、初日のカナダ以外でのホテル投宿に際しては、全て徹夜している自分に気付けば、せめて今夜ぐらいはゆっくりベッドで眠らんと決意す。
さて今回のツアーにて、最初にして最後となるのんびりし得る夜なれば、ここは豪勢にステーキでも食いに出掛けんと、バンに乗り込みホテルから街を目指す。何しろテキサスと云えば「Everything’s big in Texas」のコピー通り、巨大牛こそ名物なれば、やって来たはステーキレストラン「Road House」、奇しくもツインピーカーな私と東君には、何とも感慨深い名前ではあるまいか。中に入れば大層な賑わいにして、如何にもテキサスと云った気取りのない雰囲気なれば、壁にはガラガラ蛇の皮やら、鹿やらバッファローの頭の剥製やらが、所狭しと飾られており、皆デカいビールジョッキ片手にステーキをガツガツ頬張っている。この何とも云えぬ心地よい喧噪感は、大阪のそれと同じ類いであり、そしてWWEでお馴染みであったテキサスの荒くれコンビ「アコライツ(APA)」辺りが、今にもその辺で大喧嘩でも始めそうな空気感と云えば、多少なりとも想像に易いか。
ここで私はメンバー中最大の18オンス(500g強)のTボーン・ステーキを、前菜はハウスサラダとチリカップ、そして赤ワインをオーダー。先日San FranciscoのKimさん宅にて食した馬鹿デカいステーキ肉よりは幾らか小振りなれば、余裕で完食。狂牛病も何のその、Tボーン内の脊髄部分も美味しく頂けば、10年後に脳味噌が海綿状になり涎を垂らして発狂死しても仕方あるまいか。「T」繋がりにて、先頃地獄の墓掘り人として復活せしジ・アンダーテイカーに倣い、その紋章である「T」を掲げての懐かしのポーズにて完食記念撮影。

大きさがオンス表示故、一体どれ程の大きさか判らなかった為、自粛して6オンスの分厚いフィレステーキをオーダーした津山さんは、何と僅か十数秒にて完食、果たして味わっていると云うよりは飲み込んでいると云えばよいか、全く何ちゅう食い方や。食後にマルガリータを呷り、のんびり寛いでおれば、隣の席の御仁が誕生日とやらで、スタッフ一同そのテーブルの周りにて歌って踊って場を盛り上げる。
さて満腹にて大満足、ホテルへ戻りネット接続し雑務をこなす。同室のはじめちゃんは、風邪が少々悪化してきたか、咳き込み気味なれば即寝成仏。iBookに向かっているうち、私もいきなり鼻が愚図り出すや、咳込み始め、更にはどうやら発熱して来たか、どうにもしんどくなって来た故、午前1時半ベッドに潜り込み就寝。されど発熱したせいか、何とも寝苦しく幾度も目が覚めれば、今度ははじめちゃんが起き出しネット接続している様子。何としても風邪をこじらせる訳にはいかぬ故、今宵ここで治癒せんと、再び布団を被るが辛くてなかなか寝付けず。

6月11日(金)

午前9時半起床、喉の調子が頗る悪い事を除けば、風邪の具合は昨夜よりは少々ましか。V8の缶2本にて朝食とす。ネット接続し、ヨーロッパ・ツアーのブッキングを続ける。
午前11時チェックアウト、Dentonへ向かう道中のスーパーにて、ピザ2枚とV8の巨大ボトル1本、葱1束と缶入りマッシュルームスープ2缶、そして風邪薬を購入。ピザ2枚とV8にて昼食とし、風邪薬を服用。
2時間のドライヴは薬が効いたか爆睡、Denton付近の大型ショッピングモールにてブーツショップを発見、ブーツの底が裂けてしまっている私のリクエストにて、いざブーツショップへ。この「Boot City」なるブーツショップ、ウエスタンブーツのみならず、テンガローハットやらウエスタンシャツは勿論の事、ウエスタン調フォーマルウェアやらネクタイ、更にはベビー服に至るまで、テキサス・ファッションの全てが揃う店なれば、思わずブーツと共にベルトなんぞも購入。東君も人生初となるブーツを衝動買い、これを機に彼の新しいファッションが生まれるのか。

午後4時、今宵の会場であるHailey’sに到着すれど、未だ店は開いておらず、調度先程ここより1ブロック程戻った所にて、車窓より既に中古レコード屋を発見しておれば、当然津山さんと東君共々レコード・ハンティングへ。そのレコード屋の並びには骨董品屋が建ち並び、何気に店内をチェックするや、膨大なガラクタの中よりLP群を発見し、ならばとウォーミングアップがてら購入。
さて中古レコード屋へ到着するや、先ず目に入りしは膨大なカセットコーナーにして、これにはカセット・ジャンキーでもある津山さん「こりゃヤバいで」を連発、一体何がヤバいのか、兎にも角にも嬉しい悲鳴を上げておられる様子。結局私と東君は、またしてもLPをかなりの枚数抜いてしまい、結局再び1箱分程購入。津山さんは膨大なる珍品カセットを前に苦悶中、「あかん、こんなん全部買うてまうで。レコードで全部持ってるのに、同じもんのカセットこんなに買うてる俺ってアホやなあ。カセット買うのもう止めよかなあ。でもあかん、やっぱり止められへんわ。全部欲しい!」等と独り言を云いつつ、結局はかなり厳選した様子なれど、それでも十数本は購入。

午後7時半、会場へ戻るやPsychic Paramountも到着しており、早速サウンドチェック。津山さんと東君は、例によってビリヤード。流石にテキサスは36度と暑ければ、店内のクーラーの効きが弱いのか、既にあまりの暑さでかなりバテ気味なれど、風邪薬が効いているのか、調子はまあまあと云った処ではあれ、喉の調子は頗る悪し。取り敢えずここテキサスの地ビールを呷りつつ、夕食のハンバーガーを食す。流石にもうハンバーガーは見るのも嫌なれば、何とか残り9日間はハンバーガーを避けたい処。ちょっとでも動けば暑い故、今宵は暑さですっかり消沈気味の津山さんと、大人しくShopzoneに座る事にする。Shopzoneに座っておれば、ファンと直接いろいろ話したり出来るのだが、どうにも私は愛想良く応対するのが面倒な故、話し掛けられるのは何とも鬱陶しいのであるが、こちらのファンは皆最初に「How are you?」等と気軽に声を掛けて来るので、どうしても話さぬ訳にもいかぬ。津山さんのように、鬱陶しい客に「おらおら~、お前鬱陶しいんじゃあ~、来んなボケェ~!」とまでは到底言い切れぬどころか、ついつい愛想良く話してしまう自分は、嗚呼、何と「良い人」なのであろう。津山さん曰く「HHHのようにヒールを演じている」そうだが、捲し立てている彼を見る限り、どう贔屓目に見ても「素」でしかない。

日曜日なので客の入りが心配されたが、Psychic Paramountが終演する頃には、一見ほぼ満員200人程度の入りなれば、地元紙に大きく写真入りで取り上げられた効果はあったと云うべきか。そもそも前回のツアーに於いても、南部に於いてAustin以外では、あまり集客状態は芳しくなく、嘗てBoredoms等がツアーした時でさえ少ない時は数十人だったと云うから、今宵なんぞはかなりの好成績と云えるのではあるまいか。
今宵は「La Le Lo」フルバージョンの演奏を初めて試みれば、なかなか良い塩梅なり。風邪のせいで津山さんの喉の調子が頗る悪い為、「La Nòvia」は演奏せず。

今宵の投宿先は、Jayなるテキサス男にしてヨーロピアン・プログレ・マニアの屋敷。1階はスタジオなれど、何と2インチのアナログテープデッキが据えられ、メロトロン2台、ArpやらMoogやらのビンテージシンセが十数台、幻の名器Farfisaやその他レアなエレピやオルガン群が並ぶは圧巻。ドラムキットにはお約束のティンパニーが追加され、そして巨大アンプ群が聳え経つは、そこいらにテープエコーやらのビンテージ・エフェクターが並ぶは、一体こいつは何者やねん?今まで数々の素晴らしい自宅スタジオを見て来たが、これ程の機材が並ぶものは流石に初めてなり。あまりの機材群に呆然としつつも、兎に角暑さにて疲れた故、ビール1缶をグッと呷り、午前4時2階のソファにてさっさと就寝。

(2004/6/19)

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