『人声天語』 第130回「断罪!American航空」

あまりの多忙さに、先頃行われしJapanese New Music Festival中国ツアーの模様も記せぬまま、Acid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O.の全米ツアーと相成れば、中国ツアーの模様はまた後日。何しろ中国から帰国直後に元オックスの栗山純さんとのライヴを名古屋にて行い、何とか納品が間に合いしツアーCDを梱包しアメリカへ発送、さて漸く明日香へ戻るや今回の全米ツアーにて販売するソロCDR作品を録音、長期留守にする故に寺の大掃除も済ませれば、既に出発前日と相成れり。

伊丹空港にて津山さんと合流、チェックインに赴けば、成田より航空会社の系列が異なる国際線に搭乗するにも関わらず、受託手荷物のチェックインはここ伊丹にて最終目的地New YorkのJFK空港まで一括で済ませられ、これは何とも素晴らしき心配りか。午後1時ANAの成田空港行きに搭乗、新聞2紙を読破後、先程売店にて購入せし週刊アサヒ芸能を読み耽ておれば、いやはやもう成田空港に到着か。
成田空港に到着するや、手荷物もない故に手早くチェックインを済ませ、空港内寿司屋にて津山さんと2人で寿司に舌鼓を打つ。値段は決して安くはなけれども値段に見合いし納得の内容なれば、帰国の折にはこの寿司屋にて打ち上げせんと決定。搭乗口にて東君と合流し、いよいよAmerican航空成田発NY行きに搭乗、American航空(以下AA)を利用するは初めてなれば、さていつも利用するUnited航空(以下UA)に比べて如何なものか。未だこの時は、アメリカの航空会社であれば、あのUAに劣るサービスなんぞあり得ぬであろうと、きっと客室乗務員が若く美人揃いにして思いの外の過剰サービスなんぞやら機内食が大いに美味ならんやらと、常々「No Hope」を座右の銘にする私でさえ、心の奥では何かしらを期待せし。

さて搭乗してみれば、大抵何処ぞかに用意されし新聞各紙が見当たらぬ。先程のANAの国内線でさえ新聞各紙と週刊誌数誌は取り揃えておられれば、これは何と云うサービスの怠慢か。そもそもこの退屈至極な長時間フライトにして、況してや飛行機たるもの搭乗してからでさえなかなか飛び立たぬものと相場が決まっておれば、せめて機内エンターテイメント・サービスが始まる迄、新聞やら週刊誌やらで凌がねばならぬは必定、何となく嫌な気配はこの辺りから漂いしか。
客室乗務員は皆、経験豊かなベテラン揃いと云えば聞こえは良いが、即ち裏を返せばすっかり賞味期限切れなアメリカン・ババァの博覧会の如し、されどこれはUAも同じなれば、未だどちらがどうとも云えぬ。些々やかにも何事かを期待せし我々がアホであったに過ぎぬ。況してやこちらは所詮極東便、会社の顔たる主力級は欧州便や国内便に配属されておられるのか。それにしてもよくもまあここまで各種ババァを取り揃えられしものかと感心頻り、シワシワもおればブヨブヨもおり、また大凡レズであろうと思われしマッチョな珍種にまで至る。提携するJALからも日本人客室乗務員3名が派遣されていると機内アナウンスにて聞き知れど、言わずもがなファーストクラスとビジネスクラスに配属されているのであろう、結局その姿を拝む機会さえなし。我等エコノミーに座する者なんぞ既に荷物や犬畜生と同じような扱いなれば、貴重なる若いJALの客室乗務員を斯様な下層貧民クラスに宛てがう筈もなし。日本に於いては客室乗務員ことスチュワーデスとは、女性の花形職業にして美人揃いとの印象強けれど、果たしてアメリカでは如何な風か、大いに興味深し。否、確かにアメリカ全土其処彼処にて到って日常的に見受けられる超ド級デブの如きは流石に働いておらず、所謂「中デブ」程度までなれば、矢張り一応これでさえ選りすぐりの女性陣たると云えるのか。常々思うはアメリカのTVドラマや映画程虚構極まりなき代物はなし。何しろ実際に街へと出てみれば、TVや映画で見受けられるが如き素晴らしきスタイルの女性にお目に掛るは到って稀にして、そもそも世界最大のデブ産地アメリカに於いて、デブが半径10m以内に全くおらぬ状況なんぞあり得る筈もなく、故に登場人物殆ど全員がデブにあらずなんぞ、これを虚構の世界と云わずして何と云うか。
デブ嫌い且つ白人嫌い且つババァ嫌いの津山さんに於かれては、その中デブ級でさえ許容出来ぬ様子にして「ああ~っ!ホンマきったないのぉ~デブは!臭いんじゃ~ボケ!ああ~近寄んなっ!スッチャーデスって普通は奇麗な子とちゃうんか!もうデブ嫌やねん!あ~、もうホンマ近付くなや、ボケがぁ!デブはみんな自殺せぇ!」と、離陸前から既に半狂乱状態なり。まあどうせアメリカにて数日も過ごせば次第に目が慣れ、中デブ級が「標準」に感ずるようになる故、こちとら然程心配するには及ばず。

さてAAの機内設備であるが、機内エンターテイメント・サービス用ヘッドホーンが、インナーイヤー型なれば、耳が小さくヘッドホーンが耳に入らない私にとっては難儀な事この上なく、UAの如くオーバーヘッド型の方が好ましい。また肘掛け部に備え付けられしパーソナルテレビのリモコンも、通常のタイプの如く肘掛け部内に沈み込む形で収納出来るものにあらず、御蔭で肘掛け辺りにて手を動かす度にリモコンに触れてしまい、無闇にチャンネルが変わるはボリュームが大きくなるは小さくなるはと、全く以て機能的にあらず。
されど東君が座せしエコノミークラス前方部は、ヘッドホーンが全く支給されずとかで、全員音声無しで唯テレビ画面を眺めしのみとか。斯様な長時間フライトに於いてテレビさえ楽しめぬようでは、最早寝るしか術もなしか。しかしそう簡単に眠れぬ不条理な現実がこの先に待ち受けていようとは、この時の我々は未だ知らぬのであった。

お待ちかねドリンクサービスに於いて客室乗務員のババァに飲み物を尋ねられるや、いつも通り赤ワインを注文、さすれば600円か5ドルだとヌカしくさる。アメリカ人ならではのジョークかと思いきや、斯くあらじ。おちょくっとんか、おんどれらは!このフライト時間の長い国際線にて酒類が有料とは何と言う理不尽さ、ほならどないして寝ろ云うねんな。
更にこの客室乗務員のババァ、私の席のゴミを片付けずに通り過ぎようとする故、腕辺りを軽く小突いてみれば「Don’t touch me!!」と逆切れにて怒り心頭の御様子、己れの怠慢な仕事ぶりを棚に上げて何やねんその態度は!それが己れらの客に対するサービスっちゅうもんなんか、ボケがぁ!思わず「それがお前のサービスか!ワシは猛烈にムカついてんど!」と訴えるや「仕方ないでしょ、期待しないで!」とあっさり切り捨てられる有様、AAは一体どんな社員教育してんねん!食事の際に再び「今も酒類は有料か?」と尋ねれば「勿論」との返事、結局12時間に渡るフライトにて飲みしはオレンジジュースとトマトジュースのみ、御蔭で然して眠れる筈もなく、ならばと挑みしパーソナルテレビのオセロも軽く全戦全勝と相手にもならねば時間潰しにもならず、結局は下らぬハリウッド映画を見続ける羽目に。まだ東君の座す辺りと異なり、ヘッドホーンが支給されたたけでも感謝しろと云わん処か。
他の航空会社なればドリンクサービスやら間食サービスなんぞあれど、AAに於いては殆どなく、その怠慢な勤務態度ぶりには、既に怒りも通り越し呆れ果てるのみ。如何にチケット代が若干割安とは云え、このサービスの酷さなれば、もう二度AAを利用する事はあるまい。今まで様々な酷いサービスの航空会社を利用せしとは云え、AAに比べれば天国と云えようか。あの悪名高きロシアのAero Flotでさえ、食事時のみは酒類を無料にて出してくれておれば、Aero Flotにも劣る糞AA、一体誰が二度と乗ろうと思うものか。斯様な糞AAと提携するJALもまた当然の如く同罪なり。
それに比べUAの機内サービスは、アメリカ人ならではの大雑把とは云えども、酒なんぞ幾らでもくれる大盤振る舞いぶりなれば、矢張り機内サービスとは斯くありたいもの。美人客室乗務員か酒類大盤振る舞いか、せめてどちらかは全うして頂かねば、到底12時間以上もあの窮屈なシートに拘束される事、大いに堪え難し。

突然私の3席隣に座する黒人の爺さんの健康状態が悪化せしとかで、客室乗務員共の様子が急変、慌ただしく機内を走り回り、応急処置として点滴を施せど、更に事態は風雲急を告げしか、アラスカに緊急着陸しこの爺さんを下ろす事になりしとか。酒も出えへんわ、タバコは吸われへんわ、寝られへんわで、更にアラスカに緊急着陸だぁ!?おちょくっとんのか!そんなもんハナから酒でも飲ませて寝かせておけば、誰も気付かぬうちに、そのまま静かに眠りながらあの世に旅立てしかもしれぬものを。東君の話では、彼が座せし辺りでも乗客が倒れしとかで、なんや急病人続出やないけ!不幸中の幸いは、まだ成田へ引き返さずに済みし事か。AAの機内は、既に宇宙ウイルスにでも汚染されているのではあるまいか。この客室乗務員のババァ全員、既に地球外生命体の入植計画の餌食となりて、既に宇宙ウイルスに感染せし地球外生命体の傀儡ではあるまいか。それともこの爺さんこそ宇宙ウイルス感染者にして、その感染経路等のデータ採集の為、作為的にこの機内に乗せていたのではあるまいな。どうせエコノミーに座するような下層階級ならば、人体実験材料にせし処で、社会に対し大して差し障りもなかろうと云う処か。
アラスカにて医者が乗り込みて診察、結局その爺さんを下ろして再出発となれど、今度は「空港上空が混み合っている為、現在管制塔の指示を待っております」とのアナウンス、何とか30分後には離陸すれど、これやったら成田からJFKへの直行便の意味もあれへんがな。機内でボケーっと待たされる我々乗客一同に対し、客室乗務員のババァ共は面倒臭そうにオレンジジュース一杯を配る程度、他の航空会社の如く間食を支給する訳でもなく、ホンマおちょくっとんか!ほんで結局JFK到着が2時間も遅れとるやないけ!お前らホンマええとこなしやな!

糞AAは昨年どうやら無料受託手荷物の重量規定を32kgから23kg以内に変更しており、一方でUAは32kgを頑なに維持しておれば、これも何故たるか。(両社共に無料受託手荷物は2個まで。)通常、機材一式を鞄に詰めれば大凡20kg近くに達する故、ならば機材一式とレコードにして大箱1個で、糞AAの無料受託手荷物の枠は消却される見込みか。糞AA曰く「無料手荷物許容量とは、搭乗券をお持ちのお客様1人につき、追加料金なしでお持ちいただける手荷物の最大限の個数、サイズ、重量です。この許容量は、航空機に最大限積み込める手荷物の量に影響する変動要因を綿密に調査して定められています。変動要因には、貨物室のサイズや扉の寸法、燃料の諸条件、一般的な旅客数、政府規制などがあります。アメリカン航空は、これらに基づいて標準的な無料手荷物許容量を定め、すべてのフライトに適用しています。」即ち燃料代の高沸辺りが理由と云う処か。ならば体重120kg超級のデブ野郎と私のチケット代が同じと云うのは合点がいかぬ。そもそも私が受託手荷物の重量を50kgオーバーし超過料金を追徴されても、私との体重差が50kg以上ある120kgのデブ野郎には超過料金が追徴されぬとは如何なる事か。無料受託手荷物の追徴規定は、絶対に本人の体重とその受託手荷物との合計値から叩き出すべきであろう。それにしても糞AAセコ過ぎじゃ!

されどこのツアーが終われば、当然この糞AAを再び利用し帰国する訳で、嗚呼…何とも腹立たしいやら歯痒いやら、口惜しい事極まりなし。以前あれ程常々文句垂れ捲りしUAが懐かしき、今後は多少割高であれども絶対UAを利用せんと決意、幾ら機内食が不味かろうが、酒類が無料なれば問題なし。糞AA、お前ら何値打ちこいとんねん、ボケがぁ!ビンラディン、今度は糞AAの飛行機使ってハイジャック自爆テロやったれや!それとも提携するJALの片桐機長に再び逆噴射でもしてもらうか?一見割安のチケットにて我々下層貧民を釣っておき、結局受託手荷物やら酒類から徴収せんとするその悪辣にして卑怯な手口、決して許すまじ。天誅!!!

(2006/5/12)

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