『人声天語』 第97回「Tokyo Fuck Off!!!」

さていよいよ1ヶ月半に渡る「Japanese New Music Festival Europe Tour 2003」である。今年は1月と8月を除く毎月、何かしら国内外をツアーをしている有様で、道理で録音作業が思うように進まぬ筈である。当初の予定では、今年1年間はAMTのライヴ活動を休止する事で、AMTやソロ等の録音作業をのんびり進めながら、来年のAMT活動再開へ向けてじっくり英気を養う筈であったが、AMT休止を良い事に他の仕事が急増し逆に忙殺される羽目になってしまった。世の中なかなか思うようにはいかぬもので、これはもう入院でもせぬ限り休めそうにあらず。されど全ては体あっての物種であろうから、こうして多忙にしておられる事に感謝せねばならぬか。

さてAMTレーベルより「Official Bootleg Series」なるライヴCDのシリーズをリリースしていく事を決定。AMTファンにはDead Heads宜しく立派な本格的マイクを会場に設置しライヴ録音する輩も多く、勿論それらを我々は許可黙認している訳であるし、AMTのオフィシャルBBSに於いてファン同士のテープトレードも堂々と為されている次第で、全くそれらは我々の関知する処ではないが、所謂「トレード」と云うシステムの上に存在している故、トレードアイテムを持たぬ一般のファンにとっては、入手が至って難しいようである。という理由から、この「Official Bootleg Series」のリリースを決定した次第で、「Bootleg」と銘打っている事からも想像に易いように、音源は殆ど誰かから寄贈されたものであり、なるべくその日の演奏1ステージを完全収録した形でリリースしていきたいと思う。

その第1弾は「Last Concert in Tokyo」と名付けられた、1999年2月に高円寺マンダラ2にて行われた東京でのAMTラストコンサートの模様を完全収録したもの。このライヴは、津山さんがベーシストとして正式加入後の初めてのライヴであり(津山さんはそれ以前に、ゲスト・ギタリストとしてライヴに参加していた経緯有り)、PSFからの2ndアルバム「Pataphisical Freak Out MU!!」リリース1ヶ月前に行われた。東京に引っ越した向井さんの企画でシェシズが対バンであったが、当日の集客は僅か30人弱だったと記憶する。我々5名は大阪と名古屋から出向き、ギャラどころか1人分の片道の交通費さえも頂けず、「一体わしら何が嬉しゅうて遠路遥々東京くんだりまで来たんや?」結局これが東京でのAMT最後のライヴとなった事は云うまでもなし。「Tokyo Fuck Off!!!」

その後「西日本」の東京での某ライヴに際し、津山さん共々2人して、静岡で途中下車し逃亡を図った経緯もあり、津山さんの「ラスト・コンサート・イン・トーキョ-!」のMCで始まったそのライヴをもって、「西日本」も東京で活動する可能性はほぼ消滅、「まあバンド名が『西日本』やねんからそれもしゃあない」とは津山さんの弁。

「東京嫌い」を必要以上にアピールし続けたせいか、遂にここ2年程は、全く東京からのライヴのオファーも来なくなり、今年も4月にMaquiladoraのゲストとして参加した折と、先日の「猪武者」レコ発記念で羽野さんに呼ばれた程度(ついでに翌日「つるばみ」も演奏したが)で、今や東京は私にとってNew Yorkよりも遠い場所と位置付けられている。されど羽野さんの企画で12月に再び東京へ行かねばならぬとは、高円寺辺りならば構わぬが、六本木は勿論の事、せめて新宿、渋谷、原宿辺りでのライヴがない事を希望したい。「Tokyo Fuck Off!!!」

先日の「猪武者」のライヴは、六本木Super Deluxeなる小洒落たクラブにて行われた。会場は何とも落ち着かぬ、私にとっては「東京っぽい」空気で満ち溢れ、況してサウンドチェック時に大嫌いなレゲエなんぞBGMで流された折には、思わず会場外へ避難した程。一歩外へ出れば、眼前に鬱陶しさ度数1億の「六本木ヒルズ」が聳え建ち、阿呆面下げたお上りさんやらカップルやらがそこいらに犇めき合うは、日本気触れの外人共がそこらを闊歩するは、またバカ高いレストランしか存在せぬ故、リハ終了後に一杯引っ掛ける居酒屋さえなく、テレ朝通を歩いてみれば、フランス気触れなオープンカフェで、ナルシスティックなヨーロッパ気触れの典型的モンゴロイド面のド阿呆が、通りに向かってこれ見よがしにイキってカップを傾けている。何ともここには救いようのない阿呆しか居らんのか。何しろ何処へ行くにも六本木ヒルズを経由せぬ事には侭ならず、この迷惑千万な巨大な愚の骨頂に誰か原爆でも落としてくれ。唯一救われた事は、Super Deluxeの「東京エール」なる地ビールが美味であった事と女性バーテンダー陣が可愛かった事か。されど「東京エール」もボトル1本700円、勿論フリードリンクチケットがなかったら飲む事さえなかったであろうが。「Tokyo Fuck Off!!!」

六本木から練馬の投宿先へ移動しようとするや、深夜にも関わらずラッシュ状態。お前ら斯様な時間まで何しとんねん?老若男女問わず、よくもまあこれ程の数の人間が、斯様な時間に電車を利用しているものだ。そもそも昼夜問わず街中に阿呆程人が溢れ、人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人…全く気の休まる暇もなし。況してや、何が悲しゅうて斯様な時間に、ライヴで疲れた体をこの阿呆共の雑踏で揉まれなあかんねん!さっさと家に帰ってオナニーでもこいてろ、ボケがぁ!「Tokyo Fuck Off!!!」

関西人は「粉中毒」と云われているが、私もまた然り。誤解なきよう先に述べておくが、「粉」とは勿論「メリケン粉」の事。「うどん」「タコ焼き」「お好み焼き」全て原材料はメリケン粉である。東京へ行くと、うどん好きの私なんぞは地獄のような憂き目に合わされる羽目となる。うどん屋(と云うかソバ屋)は星の数程建ち並んでおれど、迂闊に東京でうどんは食えぬ。うどん屋がありながら、されどうどんが食えぬとは、一体如何な了見か。

東京のボケ共は「うどんなんてさ、ただのメリケン粉だろ。そばは蕎麦粉だからね、やっぱそばだよ。」なんぞと東京弁でホザきくさるが、そばは「コシ」が命、コシのないそばなんぞ到底食えたものにあらず、況してや東京のそばと云えば、かつお出汁+醤油と云う真っ黒のつゆで、偉そうに御託を並べる前に、先ずはつゆとは何たるかを知れ、ボケがぁ。その点うどんは、たとえ一杯160円の立ち食いうどんの如くコシがなかろうが、讃岐うどんや味噌煮込みうどんの如く素晴らしいコシを誇るものであろうが、全く問題なく頂ける優れものなのである。スパゲッティでさえ「アルデンテ」でなければド不味い事極まりなく、コシの有無を問わぬ麺とはうどんのみではなかろうか。つゆは矢張り昆布かつお出汁(私が自宅で作る際は昆布出汁のみ)にて透き通っておらねば、到底つゆとは呼べぬ。

更に、有名な話であるが、東京のボケ共は「きつね」と「たぬき」が、一体何であるかさえロクに承知しておらぬ。「たぬきうどん」って何やねん?「きつねそば」って何やねん?煮揚げが乗ってるうどんが「きつね」、そばが「たぬき」であろうが。「揚げ玉」が乗ってるうどんはただの「素うどん」若しくは精々「ハイカラうどん」と呼ばれるものあろう。そもそもうどん屋で天かすは無料で取り放題と昔から決まっており、天かすで儲けようなんぞセコいにも程がある。「Tokyo Fuck Off!!!」

ついでなので食い物についてもう一品。先日新宿へ行った際に「カツ煮」なるものが大衆食堂のメニューに並ぶのを発見、「当店自慢の東京名物」のコピーに、トンカツ定食とどちらにしようか散々迷った挙げ句、ここは「東京名物」なるものを話の種にとオーダー。出て来たものは名前通り、トンカツを肉じゃがのつゆで煮たようなものなれば、何故折角カラっと揚げたトンカツを更に煮ねばならぬのか、御陰でトンカツのサクサク感は失われ、肉は煮た事により身が締まって固い上、肉本来の旨味も完全に失われている。つゆが肉じゃがと同じような味であり、更に肉じゃが同様玉葱なんぞも入っているのであるが、兎に角つゆが妙に甘ったるく、ふやけた衣にその甘ったるさが見事な程絡み付き、気持ち悪い事この上なし。これならば素直にトンカツ定食にしておけばよかったと後悔すれど、既に後の祭り。海外で不味い料理に金を払うのも腹立たしいが、国内で不味い料理に金を払うのは一層腹立たしい。ごった返す店内を見渡せば、決して安くはない700円の「カツ煮」を食している常連らしいサラリーマンの姿も多く、お前ら味覚と云うものを持ち合わせておらぬのかと、思わず疑いたくもなる。結局東京で旨いと思えるものは寿司だけか。「Tokyo Fuck Off!!!」

阪神優勝とは裏腹に、今シーズンの巨人は低迷し原解雇。痛快この上ないが、されどそれでもむかつくのはオーナーのナベツネである。お前なあ、巨人が優勝せえへんと日本のプロ野球が盛り上がらへんやと?…思い上がりも甚だしいわ!巨人なんぞこの地上から消滅させ!グダグダ文句ぬかしさらすんやったら、勝手にヴェルディ-と「読売リーグ」でも設立して、サッカーと野球の異種球技でも何でもやりさらせ!ビンラディン、読売本社と日テレ本社を爆破してナベツネをぶち殺してくれ!「Tokyo Fuck Off!」

さて今度の「Japanese New Music Festival Tour」は、東京でもないくせに「東京国際空港」と名付けられている成田空港発着であるのだが、成田こそ我が鬼門であり、何故だか税関にて毎度「別室行き」を仰せつかるのである。関西空港や名古屋空港では全く問題なく税関をパスし得るにも関わらず、何故成田では斯様な仕打ちを受けねばならぬのか。荷物を待つ間も「犬通ります」と数度に渡り麻薬犬に私の周りを散々嗅ぎ回らせ、更に税関にて「別室送り」とは如何なる所存か。そもそも空港へ行くだけで、車であろうが列車であろうがパスポートを提示させる空港なんぞ、世界広しと云えど成田だけではあるまいか。「Tokyo Fuck Off!!!」

そう云えば西武線にて「つぎ」「こんど」と云う表示を目にし、一体どちらが「先発」でどちらが「次発」なのか随分悩まされた経験あり。私の感覚では、「つぎ」と云われれば「兎に角次に入って来る列車」で、「こんど」と云われれば「ほなまた今度な」と云う具合で「もう少し先の未来」に思われてしまう故、「つぎ」が先発、「こんど」が次発と思われたのだが、事実はその逆にして、確かに漢字表記すれば「今度」は「今度入って来る列車」と理解する事も出来るが、兎に角混乱を招くこの表記、何とかならぬものか。そもそも何故「先発」「次発」と普通に表記せぬのか。

列車と云えば、津山さんは東京方面行きを「上り」その逆を「下り」と呼称する事に大いに御立腹の様子。「高いとこに行くんが『上り』ちゃうんか?それやったら長野県行きが『上り』やろ!」

まあ難癖つけてでも言いたい「Tokyo Fuck Off!!!」

グダグダ言い出したらもう止め処なく、東京のどこやらの区では、「路上での喫煙禁止」だか、阿呆のひとつ憶えの如く、嫌煙大国アメリカに倣って鬱陶しい条例を制定したとか。否、確かにカリフォルニア州やニューヨーク州は「公共の場所での喫煙禁止」を制定しているが、路上では誰が煙草を吸ってようが兎や角云われぬ。路上にての喫煙まで他人から兎や角云われるのでは、ほな一体何処で吸え云うねん。一方ではフランス人なんぞ、禁煙の場所でも一切お構いなしで、皆そこいらでバカバカ煙草を吸っている有様。ヨーロッパでは禁煙云々なんぞと鬱陶しい事もあまり云われぬが、兎に角アメリカのド阿呆共のせいで、こちとら全く迷惑千万。そもそも拳銃は良くて酒と煙草があかんってどんな国やねん。いずれ東京も斯様な具合になるやもしれぬ、否、こうなれば是非ともなって頂きたい。

癌で死ぬよりGUNで死ぬ方を選んでろや、お前ら!「Tokyo Fuck Off!!!」

(2000/9/30)

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