『人声天語』第138回「男は黙って噛み締めろ!(AMT & TMP U.F.O.欧州ツアー2007)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人声天語」にて二度とツアー日記の類いは綴らぬと思っておれど、旅先各地にて「ツアー日記また楽しみにしてます」なんぞと云われれば、はて如何にしたものかと思案するうちに、連日連夜の酒池肉林ならぬ酒池食林を繰り広げ各地のオルガナーザーを唖然とさせし、Acid Mothers Temple & The Cosmic Inferno featuring ぴかちゅうによるまさしく地獄の西日本ツアーも今は昔となりければ、ギター紛失なんぞと云う大失態を繰り広げしAcid Mothers Guru GuruのUSツアーも綴る暇さえないままに現在に至れり。
さて此の度のAcid Mothers Temple & The Melting Paraiso U.F.O.の欧州ツアーに際し、私は或るひとつの決意を此処に表するものなり。「タダで食えるもんは何を食うてでも生き延びるべし!」
今回も出発直前に北海道、東京、京都とライヴが連なりし上、幾多のレコーディング等に追われれば、ツアー前の忙殺状態は毎度の事なれど、想定外たりしは車が故障し修理工場送りとなり、更に修理のメドも立たぬ有様にして、されど明日香の山奥に居を構える身なればこそ、車がなければ脚をもがれたも同然、思わぬアクシデントにて大いに時間と金と体力を消費消耗し、その挙げ句大金欠を誘いしものなり。即ちツアーに向け事前の食糧調達なんぞ以ての他、況や世界最激不味料理地帯たるイギリスに2週間も滞在するとは云え、その対策を打つべく経済力さえ既に無ければ、今までの経験上海外にて最も入手困難と思しきトンカツソース1点のみを携え挑まんとす。帰国する頃には車の修理が完了せんと思えども、エンジン積み替え故に、修理費は25万円を下らんと既に伝えられておれば、欧米に於ける高級料理店なる日本料理店にて豪遊なんぞ論外にして、何しろイギリスではマクドのハンバーガーセットでさえ5ポンド(1100円!)と高価故、迂闊に外食なんぞにての出費さえも節約せざるを得ぬは必定、斯くなる上は、ケータリング等にて施される如何なる激不味料理さえも見事殲滅撃沈し、または自炊等にて凌ぐにせよ、食糧を日本から持参せぬ故、飽くまで質素倹約を旨をせねばならぬなり。いざ出発前の荷造りをするや、渡欧便に於ける無料にてチェックイン可能な手荷物とは20kg1個まで故に、この度は極限まで軽量化を図りしが功を奏せしか、かなりの空きスペースあれば、到着日たる初日と翌2日目はライヴもなく、ケータリングなんぞのタダ飯にありつけぬは確実と思えばこそ、カップ焼きそば1個を鞄へ忍ばせしものなり。
(※本文中の外貨レートは、1ユーロ=160円、1ポンド=220円、1スウェーデンクローネ(SKR)=15円、1スイスフラン(CHF)=95円、1ノルウェイクローネ(NKR)=17円にて換算。)

 

 

(2008/01/04)

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