『人声天語』 第98回「Japanese New Music Festival European tour 2003 日記」第2週目

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第2週目

10月8日「Warsaw (Poland)」

7時半起床。酒が抜けておらず、取り敢えずMarcinが朝飯を10時に持って来ると云っていた事を津山さんに告げ、再び就寝。8時半再び起床、朝飯にきつねうどん+しじみ汁。まだ酒が残っているので再び仮眠、9時半再び起床。日本酒とウォッカのチャンポンだったのは流石にキツい…。Marcinは10時に朝食を持って来る訳ではなかったのか、昼頃に昼食を一緒に取ろうとホテルへ迎えに現れ、一緒にカフェへ。そこで待ち構えていたのはラジオのインタビュー、面倒臭いので適当にあしらう。昼食は何故かメキシカンのトルティーヤ+エスプレッソ、結構旨かった。Marcinの話で、(5ユニットで)せめて3時間はやって欲しいと云われ、吉田氏はホテルへ戻るや、早速RUINSの曲を増やす為サンプラーと奮闘。4時サウンドチェックの為に会場入り。会場へ向かう車内ではラジオで、クイズに正解すればJNMFの招待券がもらえると云う番組、ホンマ一体どないなってんねん!大きな公園内にたたずむ古い宮殿の中庭に特設テントを設けてステージ&客席を設営。昨夜一緒に飲んでたMihauは、朝4時からここで会場設営をやっているらしい。サウンドチェック前にラジオのインタビュー2本をこなす。5時半、サウンドチェックを済ませ、今回のポーランド公演最大のお目当てであった和食レストラン「稲葉」にて何でも食い放題!今回のJNMFポーランド公演のポスターに稲葉の宣伝を入れているので、なんでも全品無料にて食い放題と相成った次第。寿司もいくら、鯛、平目、えんがわ、トロ、ほたて、サーモン、かんぴょう巻、かっぱ巻、片っ端からオーダー、熱燗を頼んだのでアテに〆鯖、焼きなす、厚揚げ焼き、さば塩焼き、湯豆腐、ひじき、鮪酢みそ和え等、食べたいものを次々オーダー。吉田氏は最後にかき揚げうどんをオーダーしたがこれは失敗、つゆが天つゆみたいに甘ったるい上に真っ黒。7時半に会場に戻るや駐車場は満車、ようやく会場入り口に辿り着くや楽屋に戻れぬほどの大混雑でもみくちゃにされる中、セキュリティーに救出されてやっと楽屋へ。800人以上が押し掛け超満員。先ず開演前にMarcinが佐々木君不参加の旨を観客に説明、彼はこの瞬間を最も畏れており、もしも客からビール瓶や玉子が投げ付けられたらどうしようととても緊張していたが、取り立てて問題なく、8時過ぎに開演。ZUBI ZUVA Xは開演直前に楽屋で作ったポーランド語による新曲から、いやはやいきなり物凄い盛り上がり。赤天は、津山さんが来場している日本大使館の人達に向け「日本大使館の人達、ごめんなさい…」と謝る一幕もありこれが何故かまたバカ受け。今回のツアーでは初めての津山さんのベース+ギター、吉田氏のドラム+キーボード同時演奏「デメトリオ」も含めた内容。RUINSは追加された数曲+久々に観た吉田ソロも含む内容。ZOFFYはトルバド-ルやフェイクトラッド+いつもより多めの名曲カヴァ-。AMT mode HHHは即興でP・フロイドっぽいスペ-シーな展開~ハードコア。アンコール2回、「La Nòvia」アカペラからスーパーコア。2度目は「Hyderomastgroningem」からスーパーコア。壮絶な盛り上がりでこっちが驚いてしまう。12時終演、更にインタビュー2本こなす。昨日からインタビューだらけで疲れてきたが、吉田氏も津山さんも面倒臭がる故、結局こちらに回って来るので仕方なし。津山さんと吉田氏はホテルへ、私はMarcinとバーへ。バーのバーテンのねえちゃんがナスターシャ・キンスキー系の美女で思わず見とれる…Marcin曰く「ポーランドの女性は世界で一番美しい」異論なし…多分。再びウォッカを呷る。しかし店が閉店、外に出るとちょうど片付けを終えたMihauも合流、しかし何処のバーも既に閉店の為、諦めてタクシーにてホテルへ。きつねうどんをかき込んで就寝。またしても何時だったか不明。多分4時ぐらい?

10月9日「Katwice (Poland)」

7時起床。朝食はとんこつ拉麺+梅こぶ茶、矢張りうどんにすればよかった…猛烈な胸焼け。シャワー後荷作り。テレビでは多くのアメリカ製作ドラマが放送されているが、吹き替えというより同時通訳、ひとりの男性がすべてのセリフを吹き替えている。(多少タイムラグあり。)またダイエットの薬のCMなんぞ、超ド級デブのおばはんが湖に潜って出て来るや、いきなりダイナマイト・セクシー・ボディーのスーパー美女に変身、こりゃ完全な誇大広告やろ!ポーランドにはJARO(日本広告審査機構)の類いは存在せぬらしい。昼食はMarcin、Mihauと共に再び日本館へ。トンカツ定食+かき揚げうどん、嗚呼、何と幸せなひとときな事か。Katwiceから迎えのバンがやって来て、我ら3人+Marcin+Mihau+運転手2人で出発。Mihau持参のウォッカ+蜂蜜のボトルが旨い。休憩なし5時間のドライヴで会場Hipnoza到着。サウンドチェックに際しベースアンプが酷過ぎ使い物にならず違う物とチェンジしてもらう事に。ホテルへチェックイン、豪華な個室。クラブへ戻り夕食は、ポーランド名物のポークカツレツ、これが旨かった。ライヴは超満員すし詰め状態。モニターが酷く吉田氏はRUINSでかなり苦戦。AMT mode HHHはアンコール2回、最初は「Hyderomastgroningem」+ハードコア、2度目はWWEでお馴染み「Hey hey Good-bye」からコアで終了。終演後ホテルへ戻り、Marcin、Mihauとウォッカを飲みに出掛けるが、結局何処も閉まっており、再び会場のHipnozaへ。ビールをチェイサーにウォッカダブルを飲みまくる。2時半閉店の為、仕方なくホテルへ戻る。3時就寝。

10月10日「Wien (Austria)」

9時半起床。流石に連日のウォッカで疲れ気味。朝食はバイキング、シリアル+サラダ+ゆで玉子+魚フライ+パンケーキ+キウイ。ポーランド料理は日本と同じ味のマヨネーズがやたらと使われている。ここ数日の暴飲にて胃はかなり参ってる様子。11時半ホテルを出発、Marcin、Mihauらと駅へ。駅のカフェでハンバーガー購入、吉田氏が買ったカツレツが結構旨い。12時半の列車でWienへ。Marcin、Mihauとお別れ、Mihauがウォッカ+蜂蜜のボトル1本くれた。チェコを通過しての5時間の列車の旅、死ぬ程退屈。車内で先程のハンバーガーを食したが旨くない、まるで魚肉ハンバーグの味、ぽん酢をかけたらまあまあイケた。津山さんは大根とつぶあんとパンを食べている…常識では想像しかねる食べ合わせ。5時40分Wien着、タクシーで今夜の会場Szeneへ。此処では今月J.Caleやコロシアムも演奏する様子。サウンドチェック後、クラブにて夕食、タイカレー+サラダ、旨い。赤ワインがまた美味、カリフォルニアワインだが、かなり高そうなワインでシリアルナンバー入り。客は100人程度、まあまあの入り。モニターミキサーの親爺はこの店勤続20年のベテラン、素晴らしい仕事ぶりに我々大いに感動。赤天は今ツアー初の「ガムラン」を披露。ZOFFYは津山さんの叙情詩が日に日にエスカレート。アンコールは「La Nòvia」アカペラ~「Hyderomastgroningem」メドレーから更に即興コア。終演後、Skin GraftのMarkに会う。オーストリア女性と結婚、現在オーストリア在住、更にMarkの両親も紹介された。クラブから先程の素晴らしいワインをもう1本お土産にと頂く、有難い。タクシーでホテルへ。物凄く豪華なホテル!されどドイツ語圏の為か、ドイツ同様に矢張りトイレットペーパーが固い。テレビでエロを鑑賞しつつ洗濯。東君にZOFFYのCDの件で国際電話。3時半就寝。

10月11日「Zagreb (Croatia)」

7時半起床。朝食はバイキング、されどオーストリアでは食べられるものが激減、結局シリアル+ハム2枚+キュウリ3切れ+コーヒー+チョコケーキ。部屋に戻り味噌汁をすする。テレビでF1日本GP予選、Drスランプ、スタートレック、アルプスの少女ハイジを鑑賞、ハイジはこれがオリジナル言語な訳で興味深く、アルムおんじとペータ-の吹き替えキャスティングは秀逸、vodafonのCMはシューマッハ-とバリチェロ。10時ホテル出発、駅前よりバスにて空港へ。Austrian Airline 12時50分Wien発Zagreb行きフライト。チェックイン・カウンターの美女と談笑、親切な応対で荷物の重量についても一切お構いなし。我々が笑っていると「why are you loughing?」と恥ずかしそうに見せる笑顔が何とも素敵。嗚呼、是非またお会いしたいもの。機内食はジュースとコーヒーのみ。「ドリンクだけかい?」とは津山さんの弁。朝食しか食べておらぬ為、3人とも空腹で苦悶。1時45分にZagreb着、されどお迎えのMateは見当たらず。10分後、Mateの友人が車でお迎えに。先ずはホテルへチェックイン、個室。3時半にもかかわらず、早速レストランにて食事、赤ワイン+サラダ+マッシュルームスープ+ステーキ+エスプレッソ。ホテルからネット接続を試みるが何故か電話本体も使用不能に、どうやら吉田氏も同様。5時半サウンドチェックの為、会場Ksetへ。マケドニア産の赤ワインが美味、アテに取れたての焼き栗。事務所にて久々にメールチェック。ホテルに戻り洗濯、日本GP予選鑑賞。8時半に再びクラブへ、250人で満員御礼。開演前にテレビのインタビュー。ZUBI ZUVA Xはクロアチアの格闘家ミルコのネタで大ウケ。赤天の「ワイン」にてゲスト出演、されどただ飲んでるだけ。持参したCDは一瞬で売り切れ。クロアチアも女の子が恐ろしい程可愛い。嗚呼、東欧美女天国。

終演後ホテルにて洗濯&シャワー、3時即寝成仏。

10月12日「Wels (Austria)」

5時半起床。ホテルの朝食バイキングは期待薄なれば、自室にて天婦羅うどんを食す。テレビは夜通し日本GPについての特番。7時15分ホテルを出発、タクシーにてZagreb駅へ、Mateとお別れ。手持ちのクロアチアの通貨で豪遊、と云えどジュースやお菓子等を購入した程度、7時55分発の列車に乗り込む。車中爆睡、2時45分Salzburg着、20分後Wien行きに乗り換え。車中再び爆睡、4時過ぎ、約1時間にてWels着。オルガナイザーの車で今夜の会場Schlafthoffへ。クラブ向かいに建つホステルにチェックイン、2部屋なれば、私は個室。今日食したものはと云えば、朝食の天婦羅うどんのみであった為、猛烈な空腹に苛まされるが、キッチンが見当たらぬ。5時サウンドチェック、機材が素晴らしい。サウンンドチェック後、事務所にてADSLでネット接続、久々にiBookにメール吸い上げ。クラブにて夕食、スープ+サラダ+ポテト+ライス+チキングリル。まあまあイケる、特にスープにわさびを入れると何故かわさび茶漬けの味となり旨い。ライヴは少々寂しい入り、田舎町なので仕方ないとか。しかし客の反応いと悪し、まるで東京で演奏してるかの如し、と云う訳でこちらも呆気無く終演、ところがCDはよく売れたので、一応受けたのか?…兎に角反応が薄い辺り全く東京と同じ。斯様な反応は海外では初めての体験なれば大いに戸惑う。さっさとホステルへ戻り、3人で赤ワインを飲み、先日食して胸焼けを起こしたとんこつ拉麺を、津山さんと吉田氏に寄贈。廊下の喫煙スペースが自室前の為、其処のテーブルにて返信メール等を打つ。明日のフライトは荷物のチェックインが20kg制限の為、それ対策のパッキング、そして洗濯。3時半就寝。

10月13日「移動日(WelsからBerlinへ)」

7時半起床。朝飯はホステルのダイニングにて用意されたパン+コーヒー。パンに持参したマスタードマヨ+わさびを付ければ、パン嫌いな私でも何とか食える事を発見。再びクラブの事務所にてネット接続、一日も早く世界中にADSLが普及してくれる事を切望。JNMF凱旋帰国公演をメールにてブッキング。車で駅まで送ってもらい、11時15分Wien行きのIC乗車、満席に加え全席禁煙は辛い。1時40分Wien駅着。駅前の中華料理屋「同楽飯店」にて焼飯+麻婆豆腐を食す。なかなか美味。2時半の空港行きバスにて再びWien空港へ向かう。今回はAir BerlinのディスカウントチケットにてBerlinへ。チェックインカウンターにて、ふと隣のカウンターを見れば、先日の笑顔の素敵な女性が!(Berlin AirlineはAustrian Aielineと提携している為、彼女が再びチェックインカウンターに居たらしい。) 目が合ったので手を振れば「Why are you here?」確かに一昨日、彼女にチェックインして貰い、ここWienからZagrebへ飛んだばかりである。こちらのカウンターの女性は何が起こったのかと目を丸くさせている。彼女の助言でスムーズにチェックイン完了。嗚呼、また是非いつか彼女と会いたいもの…出来れば今度はプライベートで…。4時40分Wien発、Berlin空港5時40分着。即座に128系統のバスに乗車、更に地下鉄にて乗り換え1回、オルガナイザーTimとの待ち合わせ場所バーガーキングへ。されど彼は一向に現れず。何と彼は駅の反対側にある別のバーガーキングで待っていた模様。されど何とか無事に会う事が叶い、Tim宅にてビール&赤ワイン、カレーライス+カップ焼そばを食す。我々の翌日に演奏するオンダアキ氏も到着、同宿。移動疲れか11時に即寝成仏。

10月14日「Berlin (Germany)」

8時起床。洗濯&シャワー。朝飯はカレースパゲッティーを3人で頂く。吉田氏と近所のスーパーへ、カレーヌードル+クノール・マッシュルームスープ+トマトジュース購入。昼食はタイ料理屋にてグリルド・ダック+マッシュルーム入りグリーンカレーのセット。結構旨い。昼食後2時間程昼寝、ライヴの用意。5時45分にタクシーにてクラブAuslandへ。サウンドチェック後、偶然見つけた近所の日本食レストラン「Sasaya」にて焼酎緑茶割り+鯖塩焼き(御飯付き)+魚介類の酢の物+寿司(鯖、鯛、黒睦)+豆腐サラダ+漬け物盛り合わせをオーダー。これまた偶然日本の某音響派女性ミュージシャンM嬢に遭遇。ヨーロッパは未だ音響派なんぞ人気ある様子、我々から見れば何とも気楽な稼業かな。会場に戻り仮眠、10時過ぎ開演。結局この日は会場が狭い事もありソールドアウト。終演後某客に「今日の(AMT mode HHH)はムジカ・トランソニックじゃないのか?」と訊ねられる。まあ似たようなもんやろ、怒濤の爆音サイケ・インプロやからなあ。GURU GURUやFaustとも仕事をしていると云うドイツのサイケ系オルガナイザーと知り合う、これで来年はドイツもブッキング出来るかも。Tim宅へタクシーで戻り、カレーヌードルを食し、1時半就寝。

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